第6話:コロンビアでラテン音楽の巨匠の家に行った話

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それにしても、見知らぬ外国人を、あんなにも気軽に部屋にいれてくれたもんだ。





後で調べてみると、Fruko y sus tesos という名前で、たくさんのCDが出ていた。



そして後日、名刺をもらっていたフルーコさんの会社に行ってみた。





若い社員が、フルーコさんに言付けられたのか、フルーコさんや、そのレコード会社が出しているCDを大量にプレゼントしてくれた。




その社員は、


「あなたに、他に何かできることはありますか?」


と言った。




突然、そんなことを言われて、何を言っていいかわからなかったが、とりあえず口に出た言葉は、


「私、すごくサルサが好きなんですが、何か私にできることはありますか?」


だった。





「もっと、あなたのスペイン語が上手くなって、音楽の知識が増えたら」





そして、私はそのレコード会社を後にした。



たくさんのCDをもらったものの、嬉しさよりも、なんだか、とてもせつない気持ちだった。



チャンスは突然訪れる。




前、ジャッキーチェンと会った時みたいに。



このチャンスに対しても、結局、私は何もできなかった気がした。



何か、すごく大きなチャンスを逃してしまったような気がしてならなかった。



とはいえ、何をしたらよかったのかも、正直わからなかった。




コロンビアでサルサのダンスは学んでいた。



でも、音楽のこともよく知らず、ただ好きだ、好きだと言っているだけでは、



準備ができていなければ、突然チャンスが訪れても、何もできないことを痛感した。




今を生きるのが大事、とよく言われるが、未来を思い描くことも、それと同じくらい大事じゃないだろうか。



どうしていきたいのか?何を望んでいるのか?を、もっとはっきりさせるということ。




こんなことが起きたら嬉しいな、こんな人に出会ったらこんな話をしたり、こんな活動を一緒にするように提案してみるのはどうだろう?



など、いろんなことをイメージしておけば、いつチャンスが訪れても、後悔しないのではないかと思う。



せっかくの出会いを、その時だけのものに、終わらせないために。


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第7話:コロンビアで突然、日本語教師・マッサージ師・書道家・寿司職人になった話

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