「52センチ」

ここは、釣れる。
行くまでの道のりは険しいが、結構な穴場だ。
何せ、潮位が高い日で、満潮が重なると長靴でもずぶ濡れ覚悟で帰ってこなければならない。
しかし、磯からの投げ釣りで、めったやたらに釣れるサイズではない。
自己記録更新だ。
場所は豊崎。
雨の降る中、彼女と二人でやっていた。
この時は午後3 時を過ぎると満潮で、潮溜まりが深くなり帰れなくなる、ちょっとしたリスクのある時間と場所だ。
今日はまったくアタリが無く、ここまできて丸坊主で帰るのかと思っていた。
時間は午後2 時過ぎ。
三本出していた投げ竿のうち、一本を餌の交換のために引き上げていたその時、

後ろで「ガラガラ、バタン」という音と同時に、彼女からのん気な声で「あ、なんか竿倒れたよ」と。
竿ごと海に持っていかれそうになるとはこのことだ。4m50㎝の竿を。
すぐさま事の重大さに気づいて巻き上げてみると、これが重い重い。
巻き上げている途中にも、何度も振り回してくる。
タモの使い方を彼女が知らなかったので、結局イチかバチかそのまま岸に揚げてみることに。
結果オーライ、水面から上げるときは竿が折れるんじゃないかと思うほど重量感があったが、太めのテグスに助けられた。
これは、快挙。
潮も満ちてきたし、さっさと捌いて刺身にすることに。
今度は夜のワキモトで40㎝クラスのソイを狙うか…。

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