「英検1級の塾講師」が、京都大学を受けたら何点とれるのか?
「英検1級の塾講師」が、京都大学を受けたら何点とれるのか?
京都大学を受験するのは、同年代の1%以下なので
「京大受験に関するブログなど書いても読者はいない」
と、私の友人は言った。
ところが、「受験生」ランキングの1位になった。ということは、受験する人は少なくとも、興味を持たれる方は多いということらしい。
京都大学の英語は、伝統的に「和訳」「英作文」が大半であるため、自分が本番で何点とれるのか予想が難しい。ここ地元で最高峰は、名古屋大学です。
その合格判定は、河合塾の「名大オープン」でも予想が難しい。
1、模試の判定は、どれくらい信用できるのか?
それは、名大を志望する受験生の上位の子は、
「こんなに上位なら、京大に志望変更しようかな」
と、心が揺れ
「こんなに下位なら、ランクを下げないと危ない」
と、心が揺れるからです。
東大や京大は、それより上がないし、絶対に志望校を下げない子も多い。それでも、和田秀樹さんの「新・受験技法」のデータによると、秋の「東大模試」の判定と実際の合否の関係は、以下のようになっています。
A判定41% B判定21% C判定21% D判定12% E判定5%
本番の3ヶ月前の模試での予想がこれほど外れるのは、なぜだろう?文Ⅱ、文Ⅲに限ると、D判定、E判定の合格組が25%もいる。
客観テストの東大でも、これほど外れる。和訳や英作文の合否の判定は、さらに難しい。
2、校内順位は、どれくらい信用できるのか?
受験生が、次に頼りにするのが「校内順位」だろう。
「去年は京大に13人合格したから、上位10番くらいなら大丈夫」
というやつだ。
次のデータを見てください。
旧帝合格者数(四日市高校、定員360名)
H28 H27 H26
1、北海道大学 4 5 10
2、東北大学 3 0 1
3、東京大学 4 9 2
4、名古屋大学17 37 25
5、大阪大学 11 8 6
6、京都大学 3 12 8
7、九州大学 2 3 1
合計 44 74 53
合格率 12% 21% 15%
地元で最高峰の、四日市高校のデータです。京都大学の合格者は、今年は3人。去年は12人。東大・京大の合格者は、今年は7人。去年は21人。これでは、
「去年は21人合格しているから、20番くらいまでなら大丈夫」
なんて、とても言えない。
3、過去問の正解率は、どれくらい信用できるのか?
そこで、過去問で何点くらいとれるのかを試してみることになる。ボーダーの65%を越えられるか確認する。ところが、ここで採点者がいないことに気づく。模範解答を見ても、和訳も英作文も客観テストのように○×をつけることができない。
しかたがないので、学校の英語の先生に採点してもらう。しかし、高校の英語の教師は英検1級を持っている人は5割程度。京大卒の先生でも、ボーダーが65%程度なので、その英語力で65%をめざす生徒の答案を採点できるわけがない。
4、予備校や塾講師は、どれくらい信用できるのか?
私は現役の高校生の頃は
「教師や予備校講師は、京大の問題でも100点を取れるのだろう」
と無邪気に信じていた。
しかし、名古屋の7つの大規模予備校や塾で14年間英語講師をして現実を知った。英検1級を持った講師も、京大卒の講師もいなかった。
それに、調査したら京大の総合得点のトップは8割ほどの正解率。100点など日本中どこを探してもいないのだ。英語のトップも8割程度だと判明した。つまり、赤本や青本の模範解答でも8割にいかないと予想された。
Z会も8年間やって研究してみたけれど、予備校講師の方が経歴を公開しているだけマシ。これは、私だけの意見ではない。一緒に模範解答をチェックしていたネィティブ講師も言っていた。
「コノエイゴ、チョットヘンネ」
「私の学校の英語の先生は、1級を持っているから大丈夫」
とか
「うちの教師は、京大卒だから信用している」
という言葉は、よく聞く。
私は、英検1級や通訳ガイドの国家試験に合格しているけれど、受験英語で京大二次を受けたら6割くらいの正解率だった。ボーダーを越えない。それで、英語検定の教本のような解答を書いたら7割。
バカバカしくなったので、アメリカで生活していた頃の普通の英語で書いたら8割を超えた。どのような解答を書くと、何点くらいになるのか7回も受けたら、分かってきた。
「こんなことなら、私が添削した方がずっとマシ」
そう思って、4年前から全国を対象に通信添削を始めることにした。勘違いして、地獄を見る受験生が多いからだ。
(高木繁美)
2016年度(7名)
京都大学「医学部」、京都大学「理学部」、大阪大学「人間科学部」、名古屋大学「経済学部」、名古屋市立大学「医学部」、神戸大学「経済学部」、御茶ノ水大学「理学部」
2015年度(6名)
京都大学「経済学部」、京都大学「総合人間学部」、東京医科歯科大学、大阪大学「外国語学部」、東工大、名市大「薬学部」。
2014年度(4名)
京都大学「医学部」、大阪大学「医学部」、京都大学「工学部」、三重大学「工学部」。
2013年度(3名)
京都大学「医学部」、名古屋大学「医学部」。京都大学「経済学部」。
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