アムステルダムで毎日ボコボコに殴られた話

 もう20数年前になります。

20歳の私は、ムエタイ(タイ式キックボクシング)の選手でした。

一気に強くなりたくて、突き抜けたくてオランダのチャクリキ道場に行きました。

ご存じの方もいらっしゃるでしょうが、

ピーター・アーツのいたチャクリキ道場です。

女子の練習生も多くレベルも半端なく高いのです。

めちゃめちゃ強い女子がゴロゴロいます。

虎の穴に入ったようなものです。

案の定、まあまあ強いじゃん(私)と思っていた鼻っ柱は初日に13歳の子にサクッと折られ

正直言うと、ソッコー帰国したくなりました。

最初の2週間は、リングで寝袋にくるまって眠り、、、というか

リングって意外に広くて落ち着かず、ほとんど眠れませんでした。

朝から自主トレ、女子のクラスで合同練習、プロのクラスに混ざって練習

一番キツかったのは、女子クラス

当たり前だけど(笑)手加減なしなので、さっさと強くならないと毎日ボコボコにやられるので。

緊張してトイレばっかり行ったし、夜はよく悔しくて泣いてた(苦笑)

嫌なら帰ればいいのにねーって今は思うけど

『強くなるまでは、ぜーーーーーーーーったい帰らない!!!』って

悔しかったんだね、それと

先生のトム・ハーリンク氏をはじめ周りの方々の優しさに救われました。

毎朝、先生が買ってきて下さった朝食を一緒に食べながら

オランダ語の単語を5つづつ覚えました。

そんな予定の3カ月はあっという間に過ぎまして

カラッと乾燥していて気持ちのいいアムステルダムの夏は終わり

未だかつて経験したことのない寒さの冬がやってきました。

運河が凍ってスケートができるほど、。旭川を同緯度なのでそりゃ寒いよね。

世界中から練習生が来て、長くても3週間ほどで帰国するので

長居する私は珍しかったかもしれません。

何で行ったの?ってよく聞かれますが

一言でいうと『自己鍛錬』です。

おかげで精神的にかなり強くなりました。

もちろん肉体的にも。

もう一回行けって言われたら丁重にお断りしますけどね。





さら


著者のIto Yukoさんに人生相談を申込む

著者のIto Yukoさんにメッセージを送る

メッセージを送る

著者の方だけが読めます

みんなの読んで良かった!

STORYS.JPは、人生のヒントが得られる ライフストーリー共有プラットホームです。