Dear 摂食障害さま その1

「摂食障害」って何か、知っていますか?

それって、やたらやせたい人がなる病気だよね。
なんかダイエットやり過ぎとか。

 私は約30年間も、この「摂食障害」とつきあってきました。

 ひとことで摂食障害といっても、人によって症状は様々です。

 あくまでも「私の場合」ということで、この話を読んでいただければ幸いです。


 昨年の春、私はとある病院に入院した。

 これまでも何度も何度も入院しましたよ。モノが食べられなくなって、

 体重が減って、動けなくなって、頭の回転が悪くなって。

 私の場合は「拒食」オンリー。とにかく食べない。食べたくない。

 しかし夫が買ってきてくれる「コンビニケーキ」だけは食べていたなあ…。


 仕事は休めない、休みたくない。それも病気のなせるワザ!

 「強迫観念」というのがとても強くて、

 どんなことがあっても、やらなきゃいけないことから

 手を引くことができない。


 あの冬~春は、「特別大不調大会」だった。

 職場の人から見たら

 「少食だけど、元気でてきぱき働く」だったと思う。



でも、本当は心も体もぼろぼろ。

人の名前が分からない、今おいた書類の場所が分からない、

階段を上ると倒れそうになる、

もちろん眠れない…。 

もうだめだって言うことができたらよかった。

でもいつもそう。

外では「できる人」のまねをして

自分を追い詰めて、追い詰めて

「食べない」ことで「実はできない自分」を処罰する。


でもそのことを

本当にはっきり自覚することができたのは

今回の入院が初めてだった。


いい加減だけど素晴らしいドクターと

本当に親身になってくれるスタッフ、

そして留守宅を守り、

毎週末の外泊の時に

それまでチャレンジしたことのなかった「手料理」で

私を迎えてくれた夫。


ブレーキの壊れたクルマのようだといわれた私が

今、なんとか生きているのは

いろんな人のおかげ。

ありがたい限りです。


でもでも、まだ私にはたぶん「自分を大切に思う気持ち」が足りない。

子供が学校に行っている間は

働いて、お金を稼がなきゃと思っているけど

それが終わったら、どうでもいいかななんて

今でも思っている。

夫のことはとても愛していて

毎日幸せななのだけど、

「自分を罰することのない世界」になれていないのか。

ちなみに私は親や家族に虐待されたりとかいうことは

全くなかった。

自分をいじめるのは、自分だけ。


摂食障害に支配されているときには

一番のトモダチは、体重計!

一日に何度も乗る、

少しでも軽くするために、裸で乗る、

100g増えたら、一日真っ暗。

300g減ったら、その日はラッキーデー。

…100gとか300gとか

今、パックのお肉なんかを考えると

本当にくだらない数字なんだけど。

その地球の重力と自分との間に

醸し出されるビミョーな数字に

日々とらわれながら生活していた。

~その後、「摂食障害を手放そう!」と思ったときに

まず始めたことは「体重計に乗らない」ということだった~。


何の特別の病気でもない摂食障害、

私がこれまでどのようにふりまわされてきたか、

そして今、どのような状態であるのか。

これから少しずつ綴っていけたらいいなあと

思っています。


これまで読んでいただき、

ありがとうございました。
















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