Morning Meditation

遠く、にぎやかな鳥の声で目覚めていたのが、この頃は虫の甲高い声で耳をすます。コオロギや鈴虫は何とそのさえずりは川の流れの音よりも大きいのだ。

 

早朝、すっかり日の出が遅くなり雨戸を開けるとまだ外は暗い。

いつものようにお湯を沸かし、コーヒーを入れる。数年前に亡くなった友人から送られたコーヒーカップにブツブツと泡を出しながらゆっくりとたっぷりのコーヒーを楽しんでいる。そして、ひと時川の流れを、川の音を、心静かに聞きほれている。黙っていても、頭の中を走馬燈のように、次々といろいろな思いが通り過ぎていく。山紫水明の世界のごとくとは言わないが、川は澄んで美しい。時にはふっとまた、夏目漱石の「草枕」の冒頭の言葉が浮かんだり、フランツ・カフカの名言であったり、歳を重ねてきた分だけ、瞑想の世界は深い。

 

やがてうっすらとあたりが明るくなるころには、愛犬と散歩に出るのが日課になった。

緩やかな山道を歩きながら、秋の七草を見つけてはなぜかうれしくなる。ハギ、ススキ、クズ、カワラナデシコ、オミナエシ、フジバカマ、キキョウ。熱海の友人の家の庭に咲いたフジバカマの花に今年もアサギマダラの渡り蝶はやってきたかな。毎年この時期にどこからか長い旅をしてやってくるのだ。

 

海辺の近くに小さな陶芸教室がオープンした。ここに時々顔を出してみようと思う。

畑の端にミョウガの苗を植えておいたのが、5個も収穫。根っこの横から顔を出していた!

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