引き篭もりの経験が語る。

【私は2年間引き篭もりだった…】

だから、書こうと思う。

私の引き篭もりの2年間はどんなモノだったか。


引き篭もりを無くしたいとか、自殺者を減らしたいと言う人が居るけど、


正直、本当にわかってるのかな?と疑問になる。


どっかの心理学者は

「引き篭もりはすでに引き篭もるという目的を達成している」と言った。


んなわけねぇーだろ。

「引き篭もりたい♪」とか思って引き篭もりになる奴は直ぐ出てこれる奴だよ。


「引き篭もりを減らしたい」そう思うのは個人の自由だから良いと思う。

だから、引き篭もりがどんな状態かを経験から語ろうと思う。


《自分の場合》

引きこもってる間は、

眼に映るもの聴こえるもの何もかもが嫌になった。

ネガティヴな思考が常に働いて、「明るい言葉」何て考えもつかない。


ずっと何かに脅えてた。

引き篭もり初めの頃は、「すぐにまた登校するだろう」と考えて親はあまり何も言わない。

でも2週間も過ぎれば、「学校に行け!」と言い始める。

私の場合父親がそうだった。


引きずってでも連れて行こうとしてくる。

そこに反発して、より部屋から出なくなる。

部屋の中だけは自分以外誰も居ないから。


引き篭もりから1ヶ月も経つと担任の先生がやってくる。

「会いたい」と言ってくる。

私は1度だけ会った。

でも顔を見たら、「この人は本当に心配していない」って感じたんだよ。

心配なのは教師としての自分の評価だって。


そっからは会わなくなった。

何回も来たよ。

その度にチャイムの音と親の声と担任の声が聴こえるんだ。

私は担任が帰るのをコッソリと窓から見ていた。

帰るのを見届けないと不安だった。

何に脅えてたのかはわからない。

けど怖かった。


引き篭もりを続ける。

電気もつけず、窓も開けず部屋の中でずっと過ごす。


初めのうちは良いんだ。逃げたいものから逃げられるから。

でもね、時間が経つと逃げてる時間ということもだんだん忘れてきて、

気がつくと自然と部屋から出られなくなる。


出たくないのかもわからなくなる。


引き篭もりを長く続ける…

それは

「何も考えない」

「何かが怖くて怖くて仕方なくなる」

「何かに絶望する」

「不安でたまらなくなる」

「時計の音を無心で聴く」

「時計の音に急かされてる気になり、眠れなくなる」

「世の中に無関心になる」

「世の中に過剰に反応する」

「生きていたくなくなる」

「死にたい…」


そんな感情が、止めどなく溢れては繰り返す。

毎日

毎日

毎日

夢の中でも繰り返す。


本当に辛かった、苦しかった…こんな言葉じゃ足りないくらいに。


しかし、1年もすればこの繰り返しにも慣れてくる。

辛さと苦しさは変わらない。

けど見えてなかったモノに少しだけ気づく。


それは、

母親の苦しんで泣いてる姿…


自分自身苦しんで悩んでたから、人が苦しんでる姿は心を滅多刺しにしてくる。

痛みがわかるから。

誰よりもわかるから。


そして「自分のせいで苦しませてる」って思うようになる。

でもね、部屋から出られないんだよ。

自分が出たら、母親を苦しませずに済むのわかってるのに、もう出られなくなってるんだよ。

それで余計に自分が苦しくなる…

この悪循環がずっとずっと続く…

来る日も来る日も泣いた。

泣き疲れてそんなある日。


「死のう」そう決めた。

もう苦しませたくないから、苦しみたくないから、痛いから。


でも、

一歩手前で思いとどまった。

それは、親友が家に来たから。

私が引き篭もってからも、悪友である親友は家に来た。

学校終わりや、学校を抜け出してアイツは来た。

来たアイツは

「学校に来いよ!」

「どうしたん?」とかを訊く訳でもなく。

ただ、俺の家に来て小学生の時とちっとも態度を変えず、

ただ喋る。

どうでも良いことを喋って、一緒にゲームやったりと

そんな普通のことをしては帰っていく。


その繰り返し。

でも俺はアイツだけは受け入れた。

昔から一緒に居るのが楽しかったから、自然だったから、何も気負いせず受け入れられた。


アイツが「学校に来いよ!」とか言ってたら、すぐに拒絶だったと思う。


そんな奴が人生の幕引きのタイミングで来たのだ。

私は死のうと決めて、一睡もせずに朝を迎え、死のうとした。

朝早くに来たことなんて1度もなかった。

でもその日に来たのだ。

アイツが来たのがわかった瞬間、泣いてしまった。

そこで初めて「死にたくない」そう思った。


その瞬間、部屋を出た。


私はこんな経験だった。

自分の経験は絶対的に一番大きい苦しみと辛さ、絶望だった。


よくデータで引き篭もりの理由と状態とかを出して話す人が居るけどさ。

全部違うんだよ。1人1人辛くさも苦しみも絶望も違うんだよ。

その人に取ってのその瞬間は人と比較できるような甘い状態じゃないんだよ。


比較して良いもんじゃない。

ふざけるな(怒)


経験した人にしか、わからないと思う。

当事者に成ったことがない人たちでは気持ちがわからないと思う。

正直、経験した私でさえ、その人の痛みはわからない。


だから、

引き篭もりを減らしたい。

自殺者を減らしたい。

って、簡単に聴こえるように話す人を見ると、怒りと涙が溢れてくる。


本当に…


引き篭もる前に出逢っている人なら、自分みたいに可能性はあるかもしれない。

でも引き篭もり後に出逢った人がどうにかするのは難しい。

「未来は素晴らしい」そう伝えたいのもわかる。

でもね、その言葉は今をしっかり歩んでいる人の言葉。

今の私にはわかるよ。

私の人生は素晴らしいから。でもこれは今を生きているから言える言葉、知らないとわからないモノ。


目の前が真っ暗で塞ぎ込んでいる人には見えも、届きもしない。


私はそうだった。


私は軽い方だと思う。

もっと苦しんでる人は居るよ。

出るタイミングってわからないよな。

本当に、どうしたいのか、どうしたら良いのか1番わからないよな。


辞めるタイミングがさ。


部屋は自分で出て行くしかない。

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