友達が自殺未遂しました、たかが婚活で。 〜中編〜

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奈々子はため息をついた。



またダメだった…




2週間前から申し込んでいる5人の男性からの返事は一つも来ていなかった。

これで何人目だろう…




結婚相談所に入会して3ヶ月


月に10人ペースでお見合いを申し込んでいるが


相手側からはウンともスンとも言われていない。



システム上、2週間以内に返事はもらえなければ

お断りされたことになるらしい。



ということは、入会して以来30人の男性から

会うことすら拒絶されたということだ。



決して高望みはしていないはずだ。

相手への希望条件は入会時に

社長のアドバイスを聞きながら決めた。



自分が短大卒なので、相手は大卒以上


年齢は同じ歳くらいから10歳上まで。



見た目や身長は、多少好みはあるけれど

イケメンや長身ばかり選んでいるつもりはない。



年収は、将来安定して暮らしを望んでいるので

600万円以上とした。



本当はここまで上げなくてもよかったのだが

例の女社長から


「うちの会員男性はそうそうたる方ばかり!

  年収1000万円なんて普通よ。それ以上だってゾロゾロいるわ!」


と言われたからだ。


二言目には

女の人生、お金は大事よ〜〜!と言われ



「うちならそういうセレブとの結婚も

現実のものになるわ!」


ドヤ顔で息巻く。


そんな調子に合わせていたら

600万円など大した金額でもないようにさえ思えて来たのだ。




もっと条件を広げるべきなのかな…



奈々子は、再びマウスを動かした。


すると今度はお見合いを申し込んできた

男性の写真付きプロフィールが出てきた。



画面に映し出された数人の男性たちに一通り目を通した。



正直言って、パッと見て好きになれそうな異性はいない。



学歴と年収が条件を満たしていても、15歳以上年が離れていたり

住んでいるところがかなり遠距離だったり

今一つ会う気になれないのだった。



奈々子は、眼鏡をかけた太めの男性が歯を見せて笑っている画像を

じっと見つめた。


やはり、一生愛して添い遂げられる人ではないような気がする。



奈々子はその画面を閉じた。




私、ホントにココで見つけることができるんだろうか…


いや、すぐに進展を望んじゃいけない。

もう少し様子を見よう


しょんぼりと肩を落としながら、奈々子は

今日の化粧室での出来事を思い出した。




社内では派遣チームは5人単位で動く。

グループは仕事以外でお昼休みなども一緒にいることが多かった。

1人の若い主婦を除いて全員独身だった。


ただし、30代は奈々子だけ、

後の4人は20代。


皆、それぞれに可愛らしくイマドキの女の子といった感じ

髪を明るく染め、付けまつげにネイル


黒髪をいつも束ねているだけの奈々子はどこか浮いていた。


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