友達が自殺未遂しました、たかが婚活で 〜前編〜

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決して安い金額ではなかった。

入会金、月会費(1年分)、雑費(お写真代やらプロフィール作成代やら何やら)

含めると30万近い出費だ。

現在、安月給の派遣社員の奈々子には痛い出費だ。

実家暮らしだが、ちゃんと家にはお金を入れている。


奈々子はなけなしのお金をカードで払い

契約書にサインをした。



これで幸せが約束されたかのように思えた。



帰り道、彼女はスーパーに寄った。


(これからは、節約しなくちゃ)


お見合い料など、別途にかかるので、まだまだお金が必要になる。


半額の魚や肉をカゴに入れた。

それでも心は不思議とワクワクしていた。


数日後、会員番号がメールで送られ

サイトで自分のプロフィールを確認したり

相手を検索したりできるようになった。


プロフィールは自分ではないみたいに

可愛らしく取れている写真と

自己紹介文などにしても完璧だった。


かなり加工された写真だが、自分らしい控えめな雰囲気は残されている。

プロフィールも料理や家事が得意な大和撫子など

男性ウケする文言が盛り沢山だ。

これならきっと男性の目に止まるはず。



奈々子は色々妄想を楽しみながら

サイトをじっくりと閲覧した。


そして早速、素敵だなと思う数名の男性会員へ

お見合いを申し込んだ。


奈々子はその日の日記にこう書いた。


ドキドキする。

こんな気持ち久しぶりだ。

もしかしたら、今年中に結婚できるかもしれない。

高かったけどやっぱりプロに頼んでよかった!




彼女の相談所への信頼が不信へと

彼女のささやかで純粋な結婚観が、ねじ曲がり破壊へと

向かうことになるとは


この時は本人が一番想定していなかったことだろう。


それは、相談所で活動を始めて2年目に入った頃だった。






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