エリート人生なんて糞くらえ。僕が学歴を捨てた理由

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いつしか練習に行くのが憂鬱なくらい、重圧を感じてしまっていた。


結局僕は中学3年間で、

一度もレギュラーになることはできなかった。


これが僕の人生で初めての挫折だと思う。


少なくともこれまでは、

勉強もスポーツも誰にも負けてこなかったので、

「自分は優れた人間だ」と信じて生きてきた。


しかし周りのレベルが上がると、

僕は自分の殻に閉じこもってしまい、何もできなかった。



ここで、

「当時の自分はめちゃくちゃ悔しかった・・」

と書きたいところだが、果たしてほんとうに悔しかっただろうか?


たしかにレギュラーになれないのは悔しかった。


けど僕は、最後の大会が終わる前にチームをやめたのだが、

当時の心境では、「もうあの重圧に耐えなくていいんだ」という、

厳しい環境から解放された安心感の方が大きかったと思う。



自分は本当に殻に閉じこもった弱い人間だ。


正直、ここまで自分の弱さを赤裸々に書くのは、

かなりの抵抗があるのだが、このまま続ける。



サッカーのことは書いた。


中学校生活は、

相変わらず人見知りではあったが、

勉強もスポーツも人並み以上だったし、

友達に困ることはなかった。


たぶん精神年齢は小学校と変わっていないと思う。(笑)


相変わらず、アウトドアで色々なとこに行き、遊びまくった。



そんなこんなで、サッカーの挫折を除いては、

順調に中学校生活を送っていた。



でも一つだけ忘れられない出来事がある。

それは音楽のテストの時間だ。


僕の中学では、

音楽では歌のテストがあり、

一人ひとり前に出て、

みんなの前で歌わなければならないのだ。



正直これは苦行でしかない。

まず僕はこれまで合唱の時間に

声を出して歌ったことは一度もない。

生まれてこの方、口パクだけで乗り越えてきた。


ただでさえ人前に出ることが苦手なのに、

歌を歌うなんてマジで無理だった。


音楽のテストが行われる1か月くらい前から、

その日のことを考えると憂鬱で死にたくなった。


今思えばちっぽけな悩みだが、

当時の僕からすれば大問題である。



そして音楽の試験当日。


僕は口パクをした。

普段声を出して歌ったことがないから、

どんなに頑張って声を出そうとしても、

出すことができなかった・・


結局、自分一人しか歌うはずもないテストなのに、

僕は最初から最後まで口パクだった。


要するに、ただの沈黙だ。伴奏だけ。

周りの人は、僕のことを滑稽だと思っただろう。

それでも、僕の出番が終わったときはホッとした。


面白いことに、

僕がこのように口パクをしたことで、

続く何人かの生徒も、

口パクだけして歌わない奴がでてきた。


正直これにはかなり救われた。

これで僕のことだけ変な目で見るやつはいなくなるだろう。



音楽の成績は悪かったが、

他の教科はテスト前にちょっと勉強すれば

簡単に良い成績を取ることができたので、

高校は偏差値60くらいの

地元ではそれなりの公立高校に進むことになる。



ここからは

高校時代について書いていくが、

まずは当時の僕の心境を説明したい。


高校へと進学した僕であるが、

僕は自分を優秀な人間だと思っていた。

プライドは相当高いものがあっただろう。


それと同時に、人見知りで

他人の前で感情を出すのは苦手だったから、

歌のテストなどがあれば、

それは僕にとって大事件であった。


そんな僕は将来について、

漠然と「自分は勉強もスポーツもできる優れた人間だ。いい大学に入って、年収1000万円を超えるような会社で働き、勝ち組として人生を生きる」という気持ちを常に持っていた。


中学ではサッカーのレギュラーにはなれなかったが、

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