絶対音痴の僕がミュージカルに出て、音痴が全く治らなかったけど、人生変わった話

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ではプロの歌手になれるのかと問われれば絶望的です。

レッスンを通し、

水野
これだけやって全く上手くならないということは、きっと向いていないんだな。

と開き直ることができました。


それよりももっと自分の強みを生かせるものがあるのではないか?

必死に苦手を消すのではなく、自然と出来ている「得意なこと」に目を向けようと考えたのです。



じゃあ、僕が得意なことってなんだろう?

自然とできること。好きで好きでしょうがないことって何なんだろう?


それが「物語を作る」ことでした。

「就活ミュージカル」ではプロの脚本家の方が物語を書いているのですが、初めて第1稿の脚本を見た時のワクワク感が半端なかったんですね。(舞台の脚本は、実際の上演時間や演出との都合を見ながら途中で何度か修正されていきます。最初にキャストに配られるのが第1稿です)


また内輪の忘年会でちょっとした寸劇をやるとなった時、その物語を考えることが楽しくてしょうがなかった。実際に仲間とセリフを読み合わせして、「こんなセリフを入れよう」「こんな展開にしよう」というアイデアがどんどん出てくる。


本当に得意なことは気づきにくい

本当に「得意なこと」は自分にとって当たり前に出来るため、なかなか気づかないと言われています。


歌手になる人は、やはり最初からある程度のうまさを持っています。僕をはじめとする音痴の人の感覚はきっと分からないでしょう。その人にとって「音を取る」ということはあまりにも当たり前に出来るからです。


ちょうどそれと同じように、僕にとって得意なことは物語作りだったのです。

今、水谷健吾という名で作家をしています。ありがたいことにお金を頂きながら物語を書かせてもらっています。


歌は「ここまで伸びしろがないってことは本当に僕は向いていないんだな」と諦め、自分が当たり前のようにできていること、他の人は苦労しているのに、自分は楽しくてしょうがないことに気づくきっかけになりました。


カラオケに行けるようになった


実はもう一つ、このミュージカルに関わることで得られたことがあります。


以前よりもカラオケに行くことに抵抗がなくなったのです。

特に僕が音痴だと知っているミュージカルのメンバーとは、ごく自然に遊ぶ場所の候補の一つとして考えています。


一番ダメな自分を既に見せていることで、気取らずに歌うことができるのです。

これは僕の人生観の中でも、転機といえるほどの出来事でした。


「下手」と思われても、自分が楽しいから歌う。そんなことを思えるようになったのです。

実は作家活動にも大きな影響を与えています。

昔からいつか作家になりたいと思いながらも「納得できる作品を書いてから」と言い訳をしてしまい、本気で活動することから逃げてきました。


それはやはり馬鹿にされ、傷つくのを恐れていたからです。しかし、舞台の世界を経験し、稽古中に大勢の前で全く音が取れない姿をさらし、少しずつですが開き直ることができてきました。


ミュージカルのススメ


最後にミュージカルの素晴らしさを語りたいと思います。ミュージカルは、ダンス、演技、歌という3つの組み合わせによる総合芸術です。

例えば僕は歌が向いていなかったわけだけど、代わりに演技がとても楽しかった。

自分の得意苦手を一気に3つも自覚するチャンスです。


やはり「向いていない」ことを知るためにはある程度の時間をかける必要があります。

趣味でやってみて、意外にもすんなり出来ること。そこにはきっとあなたの才能の欠片がねむっているかもしれません。

もし興味があるのなら、ぜひミュージカルの世界に足を踏み入れてみてください。


音痴でも大丈夫。

僕があなたより音を外しながらも、あなたよりも大きな声で歌ってあげます。



最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

水野

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