家族のコミュニケーション-その8 たたかれる妻―その2
心の中にあることを人は語ると言われています。
暴力は簡単に出てきます。考える必要がありません。
社会学者のシェロッド・ミラーは,「高度に話し言葉の発達した社会に住んでいる
にもかかわらず,微妙な問題を互いに話し合う方法を学んだ者はほとんどいない」
と述べています。
これは特に男性の側の問題です。
近隣婦人全米会議のジャン・ピーターソンはこう述べています。
「家庭内暴力の主な原因は,身体的な手段による以外に,
女性と意思の疎通を図れない男性の無能さにある」。
しかし,男性が自分の感情を―怒りを爆発させたり,
不敬な言葉を出したりせずに―制御された言葉で表現する方法を学べば,
その家族は夫や妻が暴力に訴えた場合よりもはるかによいものになります。
古代のソロモン王はこう語りました。
「人は自分の口の実によって良いものを食べる。
しかし不信行為をする者たちの魂は暴虐である」―箴13:2
一般に女性は自分の感情を言葉で言い表わす傾向が強く,
それにたけていると考えられていますが,証拠の示すところによれば,
妻たちの多くは意思の疎通の問題に一役買っています。
家族問題カウンセラーのパウル・シェーナーによると,打ちたたかれる妻は,
夫に「沈黙療法」を与え,「力の駆引きをしている」場合があります。
その沈黙は下手な事を言ってはいけないという恐れから来ていると
主張する妻たちもいますが,「それでも,男性はそれを力の戦術とみなす」と
シェーナーは説明しています。
結論はこうです。
「この二人の人間は,非常に長い間,話し合っておらず,本当に意思を通わせていない」。
結婚している人々は,自分の結婚生活において,意思の疎通は正常なものだろうか,
と自問してみると良いでしょう。
『イマドキ夫婦白書2016』から
【夫(加害者)チェックリスト】
□人づきあいの基本は「使える・使えない」で考える
□基本的に人を信用せず、信頼している友だちもいない
□いつも自分が最優先
□お店で突然クレーマーに変身することがある
□妻の向上心や楽しみを否定する
□「おまえを理解できるのはオレだけ」と理解者アピールする
□束縛が激しく、妻を飲み会などに行かせない
等……
【妻(被害者)チェックリスト】
□夫の帰宅時間が近づくと、緊張して体がこわばる
□言われると断れない。完璧にやらねばと思う
□夫の顔色をうかがい、こまかなしぐさまでよく見てしまう
□夫が怒りだすと、早くその場をおさめることだけを考える
□間違っていても正さず、流す
□きげんをそこねるようなことは、できるだけ言わない
□外出先で帰宅時間を超えると、あせってしまう
等……
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