彼女が登山好きなので、彼女の為に登山ルートを下見してたら、遭難して死にそうになった。次の日、彼女が元彼と復活してた。

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そして、一日につき12時間以上は山の中にいたと思います。

最終的には、彼女が実家から戻って来て私と会う前日までの7日間連続ですから、

84時以上の登山。


 6日目までは順調だったんです。

最終日の7日目に気が緩んだんでしょうね、

最後の山からの下山途中にちょっと道に迷ったんです。


でも、下界まで15分から20分で着きそうでしたから、なんとか下に出れるだろうと。

これが間違いだったのです。



 確実に遭難です


 道なき道を下りて行くと、どんどん傾斜がきつくなっていきます。

このまま下りると危険だなと気付いた時にはすでに遅しです。


私の体力が消耗しており、最初に迷ったポイントまで戻れる体力が無かったのです。

すぐに下山できると考えていたので、残りの水も食べ物も全て消化済みです。


 谷を目指して行けば、下山できるというのは限度があります。

あまりに谷の角度がキツ過ぎて下山できないのです。

水の音がする方向に行けば良いというのも場合によりけりです。

私が効いた水の音は、1週間前に起こった土石流により出来た水の流れです。

今の私の体力では不安定な場所を歩くことは死を意味します。


 山中なので携帯の電波は繋がらないです。

すでに夕方でしたので、今夜は、動かずに次の日の朝を待つしかなかったです。


 

 遭難した次の朝


 お盆の時期でしたから、山中で凍死することはないです。

しかし、飲み水と食べ物が全くないので、体が動かないです。

朝日が出てから辺りが明るくなり、動こうとしたのですが、脱水症状を起こしていて、

とにかく水分補給をしないと熱中症で倒れて終わりです。


力を振り絞って、土石流の場所まで向かいます。

土と泥が混ざった水でしたが、生死がかかっているので、とにかく飲みます。

水分補給したことで少し体力が回復した感じです。


すぐにでも下山しないと、温度が高くなると体力が無くなるのが確実だったので、

ここも一か八かで土石流を辿って下山することにしたのです。

もちろん道などないですし、一歩踏み外すと終わりです。

それでもこの道しか残されてないのです。



 下山してからの日差しがキツイ


 なんとか下山できたものの、早く水分補給をしないと危ないと思ったのですが、

下山した場所は、田舎です。

数軒の家が見えたので、その中の一軒に寄って、「この辺に自動販売機はないですか?」と

尋ねたのです。

残念ながら、田舎過ぎて自動販売機はなく失望したのですが、

幸いにも歩いて10分の場所にバス停があるという情報だけは得られたのです。


バス停は屋根がついていたので、中で椅子に横になっていれば日差しを避けれるだろうと少し安心したのです。

ところが、体中が熱くて屋根の中にいても耐えられない状況です。

200%熱中症です。

このままバス停にいると死ぬと確信したので、もう一度、力を振り絞って路上に出て、

私はヒッチハイクを試みます。バスが来るのには、あと1時間以上待つ必要があったからです。


 

 助け舟が到来する


  完全にヤバイです。

たま~に車は通るのですが、どんなに頑張っても止まってくれないです。

それも当然です。私は土石流の後を下りてきたので泥まみれです。

そんな登山者を一般車が乗せてはくれないです。

しかも、私はバス停の前でヒッチハイクしてます。


 どんどん体温が上がっていき、立っていると今にも倒れそうです。

今から思えば携帯電話でタクシーなり、警察なり、救急車なりを呼べば良かったのですが、

当時は、そんな簡単なことを思いつく思考さえもなかったのです。


 もう後は、なるようにしかならないとグッタリと道端で座った瞬間です。

少し遠くから「どこまで行くのですか?」という声が聞こえてきたのです。

なんと、下山した時に声をかけた一軒家のご家族が私のことを心配してくれたのです。


ラッキーにも近くの駅までなら一緒に乗せてくれると言うのです。

これぞ、九死に一生です。

本当にヤバかったなと感じたのは、ご家族の車に乗ってすぐに会話が出来なくなったのです。

頭がボォーとしてろれつがまわらないのです。


  

 彼女と10日ぶりの再会


 私は、遭難し、山中で一夜を過ごし、熱中症になりながらも生きて自宅まで帰宅。

病院にも行かず、駅で降ろしてもらって、すぐにコンビニで2リットルのジュースをがぶ飲みです。

帰宅してからは、ずっと体中が熱く、とにかく睡眠です。


 次の日の晩に彼女と10日ぶりに会う約束をしていたので、彼女のマンションへ。

この2日後に、ついに彼女と一緒に登山できることになっていたので、

熱中症でしんどいとかどうでも良かったのです。

とにかく、彼女が行きたい山を一緒に登りたいの一心です。


 そんな私のことを何も知らない彼女。

なんだか様子が変だったのです。

疲れているのか、私の顔を見ようとしないですし、会話もしようとしないのです。

まぁ、疲れているのならと「明日に連絡するね」と言って、その日は2時間のみ滞在。



  早朝に1通のメールが届く


 朝の6時頃に彼女からメールが届きます。

ただ、私も疲れていたので、もう少ししてから読もうと考えてそのままにします。

明日の登山予定についてのメールが書いてあるのだろうと思いながら確認すると、

私の心を完全に真っ二つに折るような内容が送られて来ていたのです。



「ごめんなさい。あなたとは、男女の関係ではいられないです。別れて下さい」



メールを読んでから、すぐに彼女に電話して何かの間違いだろうと確認すると、

彼女は実家に戻っている間に、元彼氏と再会していて、

元彼氏とやり直したいと思ったというのです。

私は直接話を聞きたかったので、彼女のマンションへ向かったのです。



すると、そこには、これまで形相の違う彼女がマンションの前に立っていたのです。

何度もごめんなさいと謝りながら、別れて欲しいと泣きながら懇願するのです。


私は、茫然です。



  3日間、ベッドの上で高熱と共に過ごす


 彼女の話は、きっと、一瞬の気の迷いであって、

私の元へ戻ってくれるはずだと思っていたのですが、そんな望みは叶わなかったのです。

私は、別れを告げられた次の日から3日間、ぽっかり空いたココロの悲しみと共に

39度近い高熱にうなされながらベッドでただ独り過ごすのです。

気晴らしなど何も出来ず、誰かに話を聞いてもらうことも出来ずの3日間は精神的にキツイ。



ps その後、数ヶ月してから聞いた話ですが、彼女とその元彼と復活しただけでなく、

   婚約までしていたのです。

補足:Facebook コミュニティ

   「岡ちゃんの腹筋引き締め&ダイエットもね」 BY もちもち太郎

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