白いクレヨン

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「何のために生まれて……何をして生きるのか

……ハァ。」

白クレヨンは溜息をつきながらアンパンマンのテーマソングを口ずさみます。

真新しい12色入りのクレヨンセットとして生まれた日から、他の仲間は毎日楽しそうに仕事に行き、充実した笑顔と共に、少し縮んだ姿になって帰ってきます。

「はぁ…、今日もぼくは出番なしかぁ」

隣からは仲間の楽しそうな声が聞こえてきます。

「明日は海の絵を描くんだって、実際に海に行って描くんだって、やったー!青くん大活躍だね頑張ってね!」

「色とりどりのお魚や海草を描くの楽しみだなー」

「ハァ。」白くんはまたひとつ、溜息をつきます。

前に一度だけ仕事をしたときのことを思い出しました。

赤さんが塗ったお花の色が線から少しはみ出した時の事です、白くんは赤い色の上からごしごし擦られました。

でも、はみ出した赤色は白に戻るどころか、赤色が伸びてしまい、かえってグチャグチャになってしまいました。それ以来、白くんは一度も仕事に出たことは無いのでした。

白くんの頭に、少しだけ赤い色が乗っているのはそのためです。

白くんはまた口ずさみます

「何のために生まれて……何をして生きるのか…」

その様子をじっと見ている仲間がいました。

それは赤さんです

次の日 

さぁ、海に着きました。

仲間達は早速、次々に仕事へ出かけます。

青い海に、黄色い魚、緑の海草に紫色のウミウシ!

羨ましそうにその様子を眺める白くん。

するとそこに、ビショビショに濡れた赤さんがやってきました

「白くん?ちょっと来て!!」

白くんは戸惑いながらも赤さんについていきました。

みんなの読んで良かった!