双子の呪い 2 〜世の中サクセスストーリーだけだと思うなよ〜

格段思い出したい話でもなかったが小学校の時「ザタッチ」が流行っていて自ら進んで「幽体離脱」を披露していた過去を持つ。

クラスメイトのすかした男の子は「お前を本に例えるなら間違い探しだな」と何だか上手い事言ったつもりになって鼻でフンと笑ったのがどうにも忘れ難い。


割となってみれば楽しい。


世間の双子はどうか知らないが、私たちはそこそこ趣味も好き嫌いも特別差がないし、服も貸し借りできるし(大抵私が貸す方だけど)、同じ部屋で寝ている(電気を消すか消さないかで毎晩争いが絶えない)。


それに間違えられるのも結構愉快だったりする。似たような服を着て出かける事もあるし、人とは違う生まれ方をしてちょっと私は踏ん反り返っていたくらいだ。


だからクラスメイトにコロッと間違えられたくらいでは揺らいだりしない。


でも駄目だ、祖父が私たちを見分けられなくなるのは。絶対に駄目だ。だから私は呪いと呼ぶ。そう呼ばずして、何と呼ぶのよ。


話は少しそれて、ちょっぴり傷付いた言葉を紹介したい。中学の頃の友人にすれ違いざま間違えられた時だ。「あーちゃん(梓)久しぶり!」と言われたのでやんわり自己紹介をした事がある。すると「二人の見分けはつくんだけどどっちがどっちの名前が付いてるか分からなくなる」と言いやがった。なんて乱暴な言葉なんだろう。彼女は言い訳したつもりだろうが世界一私を傷つけた!ちょっぴりなんて嘘だ!世界一私は傷ついた!


…分からなくもないけれど。でもそれじゃあ私って何なのよと思う。私は藤井和で、プロフィールの二行目か三行目に「双子」とあるつもりでいる。梓は私のプロフィールで、私じゃない。梓だってそうだ。私は梓のプロフィールのはずだ。セット売りじゃない。

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