ガリ勉少女がやせてふとって×2力士になるまで

勉強・勉強・勉強・勉強・あー勉勉勉勉勉勉強!!私の唯一自画自賛できる良いところといえばくそ真面目そして純粋なところでしょう。勉強しなさいと言われれば勉強する、死ぬほど勉強しなさいと言われれば死ぬほど勉強する。まあ厳しい親だったわけではなく親からとやかく勉強しなさいと言われたわけではなかったが、とある進学塾に中学から何となく入り、そこでの勉強しなさい呪文にとりつかれたように私は勉強の虫と化したのだった。両親、そして姉はほめるどころか引くほどの虫だったのである。
 中学生の私には勉強が全てだった。母は、
「そんなに勉強して一体何になりたいの?」
ともはやあきれ気味に問うてくる。えつ?何だそんなこと突然言われても全くわからない。今の私はとにかく勉強しなくてはならない。何になりたいとかそんなものは一切なく、一寸先も見えず、とにかく今そんな不毛な会話をしている時間も惜しくただただ何かに追われ勉強するほか選択肢はなかった。理由は不明だ。私の真面目、ストイックという性分だけが自分を動かしていたのだろう。
「知らん」
と言い放ち自分の勉強部屋へと駆け足で向かうのだった。
 学校では虫生活の成果もあり、田舎の中学ではあるが常に学内トップの成績だった。人見知りで仲の良い友達も少なく、イけてる女子、そして男子全般とはまったくはなせない。どういうワケかわからぬが勉強を死ぬほどしていることを友達にばれるのが嫌でテスト前に良くする例の勉強全然してないよアピールを会話の中でするわけだが、はやりのテレビもドラマもギャグも知らず会話に入ることができず勉強しかしてないことはおそらくもろばれである。私は怒るという感情が少ない方だが、一つ怒っていることがあった。それは人を小馬鹿にしたような「ガリ勉」という言葉だった。全てを犠牲にして勉強に身を注いでいるのに「ガリ勉」という言葉で、その努力もだささに代わり言われるたびに怒り沸騰であった。部活も遊びもそして勉強も要領よくこなしているいけてる優等生が偉くて勉強しかしてないガリ勉はちょっとといわんばかりの周りの言葉。いけてる優等生に対するひがみ。数少ない小学校からの友達とも勉強に目覚めてしまった手前、会話にもだんだん加われなくなり、遊ぶことも皆無になりしだいに孤立していったのである。


やせるの巻①

そんなガリ勉私は市内イチバンの進学校に合格したのであります。受験終了後、ちょっと気がゆるんで居間でテレビを見ている姿に家族は驚愕!勉強がなかったらあいつは時間をどう過ごすのかと見物でもあるようでした。

正直、勉強する以外どう過ごしていいか私はわからない人間になっていました。勉強以外の時間は罪悪感を覚えるまでに娯楽というものに嫌悪感を抱いていました。何が好きか、何が楽しいかなんてわからぬ!

しかし高校に入ってからどうにか勉強だけの人生は嫌だと思っていたところにすっと入ってきたものが部活でした。陸上部。なんと中学生の時も陸上部員でした。しかし完全幽霊部員。高校からは部活と勉強を両立してやったる!と確か思っていたはずです。

部活は厳しい!勉強する時間はないくらい!しかし無駄にストイックな私は両立に食らいつきました。勉強だけの中学時代より進歩。ちなみに私の陸上部の種目はハードル。怪我ばかりしているときに顧問の先生から痩せないとだめだと冗談のようにまたは本気で常々言われていました。164センチ60キロぽっちゃりくらいなう。小さい頃からぽっちゃりキープでしたが高校に入ってから弁当プラスでっかいカステラを食べていたりまあまあ旺盛でありました。

記録を出すために痩せなくては!私のストイックはダイエットへとシフトチェンジされました。方法はおやつ抜き、お茶以外飲まず、揚げ物抜き、肉抜き、とりあえず太りそうなものは一切食べない。野菜を大量に食べそのあとおかず、最後に米少々。ぱんは禁止。部活で運動めっちゃする!

ストイック!

成果はみるみる現れ半年後には40キロになっとりました。

ふとるの巻①

がりがりの我。部活のためにと痩せましたが、コンプレックスだったお尻もなくなり、服も何でも入るようになり、女の子としても喜びでした。しかし後に写真を見てもほおはこけ、鎖骨は浮き出て、日焼けして真っ黒でショートカットで全くかわいいにはほど遠い容姿で、恐怖の姿でした。さらに肝心の、部活の成績はというと、痩せすぎて体力はなくなり、パワーもなくなり記録が落ちるという事件。顧問の先生も痩せすぎかな。という。  ふざけるな!てめえがやせろっていったんだろ!心はめちゃくちゃになりました。こんなに身を削って我慢して我慢して痩せたのになんなんだ!先生を憎みました。今思えば顧問の先生に全く罪はないのです。しかしうまくいかない人生を人のせいにしたかったのです。

しかし部活で思うように記録が出ないことよりももっと恐ろしいことに気がつきました。私は気がつけば食べ物のことばかり考えてしまうようになりました。我慢しすぎた故にあれ食べてみたいあの味はどんなんだっけ?人が食べているのを見ると気になったり、逆に安心したり、人が自分より多く食べていないと不安になったり。生きるには食がついて回ります。ほぼ脳内食に浸食されていました。

ある部活帰り自転車でローソンを横切るとき、ふと食べたいものを買ってしまおうかなと頭をよぎりました。しかし一度やってしまったら・・・嫌な予感が脳裏をよぎりました。

ダイエットを始めたのが高1の冬高2の春にはわかりやすく痩せていきそのまま順調に30きろ代に行くか行かないかの高2の夏、勉強中にもうお菓子一度食べてしまおうと思いました。家のおかしのおいてあるところにこっそり行きお母さんがお風呂に入っている間にスナック菓子を盗み二階へ走りました。

久しぶりに食べる味に興奮しました。真っ暗の勉強明かりだけがつく部屋で私は野獣のようにむさぼりました。

このお菓子一気食いの感覚が忘れられず月に数回家のお菓子を盗んでは大量に食べるという行為を続けました。しかしなんとしても家族にばれるのははずかしいというか隠したかったのです。

しかし現にお菓子は家からなくなっていくのだから隠すことはできず母もなぜそんなことをするのか不思議がり聞くに聞けないといった感じでした。しかし、私は辞められず、母が寝ている頭の上の押し入れの中のお菓子を忍び足で取りに行き、「またたべるのかい?」と聞かれ無言でお菓子をとりむさぼりくったり怪しい行動を続けました。

だんだん家にお菓子が買い置きされなくなっておりました。そんなある日曜日の夜私はあまいものが食べたいと泣き叫びました。雪が降っていました。買いに連れて行ってくれ!家にはお母さんと単身赴任で土日だけ帰ってくる父がいました。私の心は食欲に支配されめちゃくちゃになっていました。そんな娘の姿を見て両親は悲しそうな顔をしていました。私も自分が迷惑をかけていることも訳わかんないことも自覚していましたがおかしくなったように泣きじゃくるしか自分を表現することができなかったのです。

何とか眠った次の日の朝学校に行く前に車でコンビニに連れて行ってもらいました。確か、あんまん、オレオ、お菓子チョコいろいろ、買ってもらいました。「いっぱい買ったね」と父は悲しく笑いました。一度家に帰り、それらを朝ご飯として食べ学校に行きました。

その日以来からでしょうか。私が食べ続けなくてはいられない状態になってしまったのは。

ふとるの巻 嵐の変

月に数回おやつジャンク爆発期はあったものの普段の食事はいつものように野菜ばかりのストイック食生活のままでした。しかし両親に打ち明けたというか、壊れた部分を見せた夜からは、だんだんとあからさまにSOSというか、最初はケーキとかおいしいおやつをかって食後に食べるというかわいいものだったのですが、とにかく学校へ行く前にコンビニによって何か食べなくては学校に行けない状況になっていました。学校にいる長い時間自由に食べられないことからの恐怖でしょうか。学校に朝出て部活から帰って家に着くのが9時くらいでした。朝も起きられなくなり冬だったのですがバス通学も苦しく毎日お母さんに送ってもらいました。その車内でコンビニで買ったお菓子を必死で食べ何とか学校に行きました。そこでもお母さんに見られたくなくて後部座席で隠れるように食ってました。みじめだ。学校についてもやばいときはトイレで必死にみたらし団子をむさぼり食ってました。みじめだ。やさいに納豆にと健康な朝ご飯を食ってから車内でお菓子を食うなどおかしな現象が繰り広げられていました。ストイックな自分と壊れた自分の二人が生きていました。私は0か100かの性質の人間のようです。ある日ストイックな朝ご飯メニューめかぶに納豆を混ぜたのを食べようとしたとき急に食べるのが嫌になりテーブルにいやあーといってそれらをぶん投げました。もう健康なものは食べたくない。今まで我慢してきたジャンキーなものだけを食べたい。これは相当やばい状態にある。クレイジーだ!しかし自分でもよくやってたなと思うのがこの精神状態のさなか、学校では素知らぬふりで、部活も日常生活も送ろうとしていたのだ。しかし勉強の方は家では全く手につかなくなった。成績が落ちていく。脂汗。

そして私は心療内科に連れて行かれた。というもののある日学校帰りスーパーで菓子パンやらナンやら食べたいものを買い、帰って誰も家にいない間それを食いまくり、両親が帰ってきたらおばあちゃんと外食に行こうと昔よく言ってたレストランへ行き腹パンパンのままずっと食べたかった天丼セットを食い次の日学校でついに廊下で嘔吐し、胃が痛くて死にそうになったからだ。

思春期痩せ症という初耳の病名を聞かされた。そのとき過食ははじまっていたもののまだ低体重であった。思春期痩せしょうとは思春期の子供発症する摂食障害。無理なダイエットにより無月経や内臓障害の危険もあるという。とりあえすダイエットしすぎによるものらしい。長くかかるわよ。と優しい口調で言われたがそのことの意味をそのときは全く理解していなかった。ちなみに摂食障害とはよく言う拒食症、過食症のことのようだ。何となく聞いたことがあったがその摂食障害の実態なんてまさか自分が自らまいた種でかかっちまうとは夢にも思わなかった。


















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