15歳の社会人。

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事務の方に、先ずは職務経歴書と履歴書を送って欲しいと言われた。


そして履歴書を送付してから電話がなり、一度面接に来て欲しいと言われたのだ。


奇跡だと思った。


中卒でも面接までこぎつけられた。  


もちろん、今回は履歴書に写真も貼った。笑



一次面接では北関東エリアの責任者が面接してくれた。その方は後に本社の仲介営業課推進室責任者になる方である。


面接は筆記試験と面談が行われた。正直、筆記試験で落とされると思うほど、常識問題が難しく、まったく答えられなかった。

面談では、今までの仕事の話をベラベラ話した。K管轄が、『お前、面白いな』っと笑いながらノルマの説明をしてくれた。


わたしは初めてのノルマにわくわくしながら聞いた。


後日、一次面接が通りましたので、二次面接があります。都合の日程をお知らせくださいと連絡がきた。


まさかの突破である。



あの筆記試験は何だったのか?と思うほどできていないはずなのに。とにかく喜んだ。



1週間後、二次面接となった。 


当日、滅多に風邪も引かない私は40度の高熱がでていた。

 

T支店に行き、支店長が面接してくれた。


今までの接客を見せてほしいと、いきなり言われた私は、応接室で、支店長をお客様に見立てながら大声で接客した。


張り切りすぎたかな?っと思ったら支店長は素晴らしいと太鼓判を押してくれた。


後は本社で合否を判断する。ただ学歴がないので稟議が通れば、入社できると言われた。


最後に学歴の話をされ、少し舞い上がってた気持ちを現実に戻された。


そりゃそうだよな、中卒だし。と非採用の言い訳を既に、自分の心に言い聞かせように帰った。



そして数日後、本社からいきなり電話があり、見事、採用通知をいただき入社できる事になった。


学歴うんぬん考えずに、面接してくださいって行動して良かったと思った。


考えるよりまず行動。


それでダメなとき考える。


私の実行してきた事が、身になった瞬間だった。


入社した、この会社では、売り上げを集計し順位を発表してくれた。


3人しかいなかった会社にいたのでワクワクした。


でも、順位よりも、忙しすぎるほどの集客の多さにビックリした。


さすが、一部上場企業である。


集客してくれるのは会社でやってくれたので、そこからは、いつも通り、第1にお客様の立場にたって物件をすすめた。

あとは、案内中に雑談や余談ばかり。お客様との会話の中から、本当の希望を見抜く事が出来れば、あとは、自社物件のみならず、他社の物件も含め、希望に近い物件を出すだけ。


そうして、順位は、すぐに上がっていった。


さすがに、全国の壁は厳しく、売り最高でも5位までしか行けなかったが、北関東エリアでは結婚するまで常に上位を保持できるようになっていた。


売り上げに応じた報奨金も素晴らしかった。


やったぶんだけ給金された。


会社では、天然だと可愛がられた。


そして、バイトもしなくても、昼間の会社だけの給料で生活できるようになった。


そして数年が経ち、結婚し育児休暇をいただいた。

復帰後、時短勤務の中でも、今までと同じ成果をあげなければならず、とても大変だったがリピートの法人様、個人のお客様に紹介などでエリアの中でも大幅に順位を落とさず報奨金を獲得できた。


私は、物件案内をしている間、お客様に感情移入してしまう。


自社物件を、もちろん優先して成約しなければならないが、それでも、お客様の案内した様子で、ここではないっと感じる事ができる。

とにかく、キノコが生えてる家で育った私は、毎日住む家が、どれほど大切かを知っている。


私は、売り上げ以上に、お客様の今後の生活に笑顔を送りたいのだ。


お客様自身も希望が定まっていない方もいる。


転勤で来た方は、街の様子もネットでしか見ていない。


百聞は一見にしかず。


私はとにかく、案内にすぐでる。

物件を探しにくる人は、とにかく無駄な時間などない。

資料みるより、街なみをみて、図面ではなく部屋を見てもらう。

お客様の顔色で、この物件の困り要因を引き出す。次の物件でも引き出し、最終的に、どれを重視したいか希望がみえてくれは、ピッタリあった物件に近づけると 私は思う。


私は絶対に、自分でここの物件が良いと押し付けたくない。

お客様が、総合的に判断しないといけないからだ。私の価値観とお客様の価値観は育って来た環境によるもので異なるものだから、アドバイスだけする。

例えば、『ここの物件は、ご希望にそった間取で、収納力もあり良いと思います。ただ、東向きなので、10時過ぎると日がさしません。毎日お仕事にいかれて、単身赴任のお客様でしたら、お休みの日も、帰省されているのであれば、問題ないと思います。』と話す。

後は、総合的に判断してもらう。


お客様が自分で決めないと、住んでから『やっぱりあの時あっちの物件の方が・・・』と否定的になると思うので、自分で決めた物件だと肯定的に導いてくれると思うのだ。

自分がそうだから、絶対に後悔してほしくないと切に願う。

それほど家選びは重要だ。


私は本当にこの仕事が大好きだ。


33歳の時、大きな交通事故に見舞われたことも、人生1度きりと考えられる出来事だった。


私は、旦那の運転する後部座席にシートベルト未着席での乗車していた。


気づいたら、子供の泣き声が聞こえてくるが。まだ、眠い。

居心地のよい、うたた寝の気分だった。

あまりにも泣き声が大きく、うるさいなぁっと目が覚めたら、身体が動かなかった。

頭が熱い。

目の前には、知らない女性が、

『しっかりしなさい!子供は無事なんだからしっかりしなさい』

と、叫んでいた。

旦那は痛てー痛てー!っと叫んでいる。

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