フツーの女子大生だった私の転落の始まりと波乱に満ちた半生の記録 第37話 最終回

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前話: フツーの女子大生だった私の転落の始まりと波乱に満ちた半生の記録 第36話




私を恨んでいる人間なんて挙げたらキリがない。


私に指名客を奪われたホステスたち

それとも復讐した大学教授かも…

もしくは、目障りだからクビにしたスタッフかな…

いや、私を憎んでいたホストかもしれない


それから…




「俺…その玲子さんって人じゃないかと思うな」




彼は、呟くようにそう言った。




「そう…かもね。でも、もうどうでもいいよ、今更」




私は、自嘲気味に笑って彼の方を見た。






彼は神妙な顔で私を見ていたが、すぐに口元に微笑みを浮かべた。






「そっか…こんなにちゃんと桃子の過去のこと聞いたの

初めてだよ。ほんと、なんか…」






「波乱万丈?」






私がそう言って笑うと、彼もつられるように笑った。




その笑顔には、まだ動揺の名残が残っていた。






「退院して、もう未練はなかった?

そこまでしてナンバーワンになったのに」






……未練か


なかったなあ… 不思議と。



悪夢が正夢になったあの夜から、

全治1ヶ月の怪我を覆い入院生活をしていた。

体のあちこちを骨折していた。


そして、憑き物か落ちたように

私は1日のほとんどをボーっとして過ごした。


見舞いには、ほとんど誰も訪れなかった。


むしろ笑いそうになった。

今までは…一体、なんだったんだろう…


多い時は、日に両手じゃ収まらないほどの数の客が

高額な支払いをしてでも私に会いにきたってのに。


客の一人もさえ…

そして、川崎も姿を見せなかった。



まあ、来たとしても


私は面会しなかっただろうけど。




入院中、ただ、ぼっ〜と外の景色を眺めながら


私は改めて、自分がこの2年あまりでして来たこと


そして失ったものを思い知らされた。



除籍扱いになった大学

見舞いに来た母の涙


元クラスメートにとっては、私など

遠い過去に落ちぶれた人間の1人に過ぎないだろう





私は退院すると

大学を正式に退学し、一度実家に帰った。


地元では、片親なのに出来のいい娘と言われていたが

大学を中退した私は、すでにそう呼ばれる資格を失っていた。


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