トラウマが癒される映画 「くう」を体験して

鑑賞するのではなくて、体験する映画「くう」の上映会に行ってきました。


その映画は登場人物も表れず、特にストーリーもなく、ひたすら地上の様々な場所で、風が吹いている様子や水が流れている様子や、その他の風景を延々と68分間にわたり、ただ映し出しているだけの映画です。


ただ「風の中のアレ」について語るナレーションだけが、所々で流れますが、「アレ」が、何を意味するのかは最後まで明かされませんでした。ある意味ずっと「あるある」が言いたいのに、最後までそれを言わないで終わる、みたいな感じです。


この映画を見て、直感で浮かび上がってきたのは「考えるな、感じろ」というブルース・リーのセリフでした。


我々は普段、考え過ぎていて、素直に感情表現をすることができなくなっています。


いわば、思考によって感情を詰まらせた状態、感情に蓋をした状態に陥っているのではないでしょうか。


だから「もっと素直に感情を表現してもいいんだよ、どうして今まで感情に蓋をしてきたの、そうするのはとても苦しかったでしょう」と、この映画の映像から問いかけられているような気がしました。


ただし、上映後に、監督が言うには「映画の解釈は人それぞれで良い」ということだったので、私のこの感想は、ある意味、私だけの解釈からくるものなのかもしれません。


なぜなら、監督自身も、自分がただ「やってみたい」という気持ちに突き動かされて、つまり、ただインスピレーションだけで、ある場面を撮影したり、つなぎ合わせたり、音をのせたり、声優に思いついたナレーションを語らせたりして、作成した映画だったから、ということです。


この映画を体験して、ある人は「映画に人が出てこないではないか、セリフの意味が分からない」と言って怒り出したり、ある人は、風が流れる情景を眺めているうちに、誰かを思い出したり、感情が溢れてきたりしたそうですが、大抵の鑑賞者が体験するのは、どうしても抗しがたい眠気に襲われて、必ずウトウトしてしまうことなんだ、と監督は笑って語っていました。


今までたくさんの感情に蓋をしてきたであろう人にとっては、また子供を含めて、感受性の豊かな方々にとっては、とても良い映画体験になると個人的には思います。


ですが、この映画は自主上映スタイルの映画なので、普通の映画館では上映されていません。


なので、できるなら、銀座あたりでお酒も飲めるイベント会場を押さえて、自主上映したいと思っているのですが、皆様、いかがでしょうか。見てみたいという方々が大勢おられるなら実現しようと思います。


そしてもしも、この映画を観たなら、きっと鑑賞後に今までよりも感情を素直に表すことがができるようになるはずです。

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