ベルリンで会社登記のプロセス

ビザに引き続き、自分ひとりで会社登記する場合の大まかな流れをメモとして書いておく。調べたら分かりそうな情報はあまり書かないのと、正確性は期待しないでください。

結論からいうとベルリンで会社登記は簡単で、安い。やり方によるけど日本より安いようだ。(日本だと株式会社でだいたい20〜30万くらい?)たとえば日本の企業がベルリンで登記する場合そのほとんどは書類の翻訳や手続きやその他諸費用にかかっているように思われる。あとは資本金と法人体によっても異なる。参考までに自分が又聞きできいた話だと、既存の日本企業がベルリンに法人を開設する場合50万〜100万くらいかかっているようだ。(又聞きなので実態はわかりません。。)おそらく大半がGmbH(ドイツで一般的な上場できないが信頼が高い法人形態)による設立で。本国や大きなマーケットで上場してるような会社は、ドイツ国内で上場する必要ないし、ドイツを含めイギリス以外のヨーロッパはあまり市場経済というより、オーナー企業やファミリー企業がおおいので、こういう形態がおおいのかもしれない。(VWやBMWも家族企業だし、でもそういう意味ではToyotaも家族企業ですね)

ちなみに自分はUGという一番安い法人形態を選んだ。通称MINI GmbHといわれるものです。おなじ高校の友人がドイツで弁護士をしていたので、信頼できる公証人事務所を紹介してもらった。彼の話によるとこのプロセスの周辺でも実は詐欺まがいの請求が結構あるらしい。

ちなみに自分はここでやりました。

Lindemann Schwennicke & Partner

www.lspartner.de

その弁護士の友達の事務所からの紹介という事を伝えてメールしたらとても返事が早かった。なかったらたぶん、いつものメールスルーを食らっていたのかもしれません。どこからともなく知らないアジア人が一番安い方法で会社作りたいっていっても怪しいと思われて仕方がないでしょう。なのでここでも人の繋がりってとても大事です。いろいろと感謝しながら生きている日々。

ちなみにこのUGという形態、ドイツ人からはとても評判が悪い。経営者や不動産オーナーやいろんなひとに ”おまえUGでやるのか?Seriousか?”とよく言われましたし言われてます。ビザの記事で書いてますが、ドイツはとても見た目や形式にこだわる傾向があるのでこれは理解できます。GmbHじゃなきゃあかん、25Kくらいいけるだろ、と。ま、正直いけなくはないけど、まだ駆け出しで25Kあったら他のことに投資したいということでミニマム出費で行きたい。ぶっちゃけUGは1€でも開設可能ですが、それだと怪しすぎるので3000€を最初の資本金にしてしました。それでも少ないけど、UGは将来的にGmbHに積み立てていくのが条件の形なのでまあ、いいかと。

一方で自分がよくお世話になっているCo Working Space、Rainmaking Loft (名前変わって最近はThe Place Berlinに)も本社がロンドン、あと支店がコペンハーゲン、ベルリンにあって、ドイツ法人はUGだったので外国法人はさほど気にしないのかもしれません。あと家の近所の女装ずきなお兄さんがやってるフムス屋さんもレシートみたらUGだったな。

そのお店:Kanaan (ちなみにここのフムスはとてもうまい。店は掘っ立て小屋だけど)

Middle Eastern in Berlin: Kanaan - Stil in Berlin

www.stilinberlin.de

本題の流れとしては

公証人事務所に会社設立したい旨、予定の資本金を伝えて手続きを始める(英語可能。ただ、あまり慣れてない様子。やはりドイツ語にすると対応が良い)

2. ベルリン商工会議所の、既存社名とかぶらないかフォーマットに名前と連絡先をいれて、商工会議所からのOKをもらう。公証人にOKを伝える。これが、英語で書くとはねられる(体験済)のでドイツ語で入力する必要がある。この辺のドメ感はなんとかしてほしい。で、催促も絶対電話(独語)でないと返事がこない。

https://www.ihk-berlin.de/Service-und-Beratung/recht_und_steuern/Firma_und_Rechtsformen/Handelsregister/Anfrage_zur_Firmierung/2253582

3. 公証人事務所にアポをとる。

4. 公証人事務所に訪問して、登記簿謄本作成。読み上げ、サイン(15分)

5. 法人銀行口座を開設する(自分はCommerzbankに)

6. Gewerbeamt(商業登録の役所)に会社を登録する

7. Steueramt Köperschaft (法人税務署)からかってにフォームがお手紙で届くので書いて、郵送(このフォームがあり得ないくらい辞書にない専門用語連発の分かりづらいものだった。)

おおよそこんな流れ。書くと簡単。難しいのは役所の遅さと融通の聞かなさ。あと公証人と登記した後に書いてある内容が曖昧だからと、登録局?から文句がきて、公証人から登記簿謄本の修正がはいったくらい。

4.の公証人事務所で登記簿謄本のサインが終わったあと、”さあ君をこれから送り出そう”といわれてないかささやかなセレモニーでもあるのかと思ったら、出口(裏口)に案内されたという思い出がある。まあ、普通に考えて大した金はらってないからそんなもんだ。

自費でかかったのは214€の公証人への手続き費用なので3000€の資本金で銀行にいれたお金を抜くと、2万5千円程度でした。ちなみに資本金のボリュームとGmbHかUGかAG(上場できるやつ)で手数料が変わるけど、それでも結構大きな規模でも1000€(12〜13万)くらいだそうだ。

逆に一般的な日本の企業がに50万〜100万かかるのはどこに費用がかかっているのか興味がある。(多少想像はしてます)大企業の場合はいろいろとあるのだろうけど、やっぱこれはでもドイツ語バリアによるコストが大きいのではないか。だからここが一つの市場になってしまっている。しかもこの市場は何か新しい価値を世の中にうんでいるわけでもない。ここは早くGoogleとかに翻訳技術をどんどん高めてもらって、誰もが語学バリアなしにビジネス条件の合う国、ライフスタイルの合う国にさくさくいけるようになる日がくればとおもう。

1つ言語を習得するのはとても大変で、価値のあることだけど経験上、英語以外の言語は、ほとんどの日本人にとって投資する時間に対して正直リターンが少ない。だからこっちの外国人もビジネスマンで全くドイツ語を勉強しないという人が一定数いて、これはこれでありだが多少コストが上乗せになる。(趣味で楽しむ分にはいいが)また言語バリアが高すぎると言語の専門家にならないとその先にある価値に挑戦できなくなるのは、もったいないというか、機会ロス。

最後に、あえてドイツで活動してても登記をしない会社もある。プロセスが複雑、意外とドイツ語主義、税金が高め等あるので、他にもっと手続きし易い国、たとえば、エストニア、イギリス、シンガポール、米デラウェア州などで会社つくって、海外法人はドイツ国内に法人ないと人雇えないから(けっこうポイント)、フリーランス雇ってますみたいな小さい会社は結構あるようで、自分の知り合いでもシンガポール人の起業家がそうやってる。電子政府を政策ですすめるエストニアは個人的にとても気になっている。手続きなんて簡単が一番。

特にジャーマンビューロクラシーはジョークになるくらい、ベルリンの外国人コミュニティーでは有名なので、ご参考までに。

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