私が上場企業の役員の地位を捨て、海外移住に踏み切った理由(1)押し寄せる危機感

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 2012年の8月1日にイギリスに渡ってから、かれこれ4年9ヶ月が経とうとしている。渡英してから2013年の9月までの14ヵ月間をイギリスで過ごし、その後の約3年半をここフィリピンのセブ島で生活している。いわゆる、「海外移住」というやつだ。「海外移住」、この言葉にはどこか甘美な響きあり、憧憬に似た感情を掻き立てる力がある。引退後は海外に移住してのんびり、こんなことを夢見る人たちも多い。しかし、海外移住は既に「夢」などといった遠い存在ではない。もはやハードルが高い目標ですらない。極端な話、明日からとは言わないまでも、「思い立って1ヵ月後」からだって十分に実現可能な「一つの選択肢」に過ぎない。かれこれ5年近い海外生活をしている身からすれば、何も難しいことはない。家の近くのコンビニにスキップで買い物に行くくらい簡単なことだ。



ほんの少しの勇気があれば。



 今日から数回に渡って、「海外移住」というテーマについて書いてみようと思います。私がどうして海外に出たのか、海外に出る前は日本で何をしていたのか(決して怪しい者ではありません)、イギリスの生活はどうだったのか、一体セブで何をしているのか、海外移住は私に何をももたらし何を私から奪っていったのか、海外生活は楽しいのか。


そして、



40代というキャリア真っ只中で日本を飛び出して、本当に後悔していないのか?



 こうやって言葉に落としてみると、想像した以上に壮大なテーマであることに気付いて少々気圧された感じになります。しかし、自分自身の整理にもなるので、ここは気合を入れて書いていこうと思っています。といっても、そんなに小難しいことを書くつもりはないので、お気軽にお読み頂ければと思います。



働いて働いて働いた30代



 私は2002年の10月から、2012年の6月までの約10年間、プロジェクト・マネジメントの会社に勤めていた。プロジェクト・マネジメント(PM)という言葉はIT業界の用語に思われがちであるが、私がPMをしていたのは、建設業界である。Fee契約に基づくプロジェクト・マネージャーが、顧客の代理人として、または右腕として頭脳として、建設プロジェクトを仕切っていく。多くの専門業者を束ねて、文字通りマネジメントして、プロジェクトを成功に導くのがPMの責務。


簡単な商売ではない。目に見えるモノを売るわけではなく、無形のサービスを売る。


 しかも、日本ではまだまだこうしたビジネスは一般的ではなかった。むしろ、傍流というか異端ですらあった。だから風当りも強い。しかし、「従来のやり方を変えたい」という経営者にはウケた。なんでも丸投げの時代は終わった、更なるコスト削減を図りたい、頼れるパートナーが欲しい、という会社から順調に受注を伸ばしていった。2012年に私が退職した頃で約180名規模の会社であったが、超有名企業からの発注も多い優良企業であった。ジャスダックの上場企業でもある。


 そんな会社の中で、私の出世は早かった(いまや、出世という言葉すら死後に聞こえますが)。38歳か39歳で執行役員になった。大きく分けて2つの事業があったのだが、その片方の責任者として最後の数年は過ごした。だから、正直、待遇も悪くはなかった。幸か不幸か、当時独身であった私に(恥ずかしながら今でも独身です)、経済的な問題など何一つなかった。人様より少し贅沢させて頂いても、痛くも痒くもなかった。



やり甲斐のある仕事

上場企業の役員というステータス

必要十分な収入

恵まれた出会いと人間関係



こんな私がなぜ全てを捨てて海外に出たのか(あくまでも、サラリーマンの中では『悪くはない境遇』にいたという認識)。友人・知人からは「もったいない」「どうして?」という言葉を何度もかけられた。心配してくれたみんなには本当に感謝している。



でも迷いは無かった。


当時の自分に全く満足などしていなかった。


やばい、このままではやばい。



そう、私を突き動かしたのはまさにこれ、危機感。この圧倒的な危機感こそが、私が日本を出た唯一にして最大の理由である。


次回へ続く。


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