天国へ旅立ったリリカ

カイトが産まれて1年になりした。


リリカが産まれてからも病魔との闘いながら、懸命にカイトとの時間を大切に生きてきました。

今回は、カイトが産まれてからの1年間について書いていきたいと思います。

カイトが産まれて、CT検査を行うと、肺にできた腫瘍と脳に転移した腫瘍は予想よりも小さくなっていました。

だけれど、抗がん剤が効かなくなってきたのです。

検査の結果、耐性をもってしまったようでしたので、別の抗がん剤を投与することとなりました。

また入院し副作用の経過を見ながら投与を行いましたが、効き目は残念ながらなく、また別の治療法へと変更をいたしました。

脳の転移した腫瘍をレーザーメスを利用した手術も試みました。

とにかくリリカはカイトのためにも治療に臆することなく闘いました。

ただ、リリカの意思と反するように、腫瘍がリリカを蝕んでいきます。

効いてきた抗がん剤は、やがて耐性をもってしまい腫瘍に対して効果がなくなってしまいました。

別の抗がん剤に変えましたが、全く合わないため、また前の抗がん剤に変えたりとしましたが、
30年の1月27日
リリカはとうとう、数字のつかない余命宣告をされました。

翌々日、わたしのもとにも、余命宣告をされたとの内容を綴ったラインが届きました。

リリカのこんな連絡がくる事をリリカの病気を知った時からずっと恐れてました。

友人が死んでしまうかも知れない。
私よりも7つも年下なのに。

カイトには、父親もいないから、リリカはきっと、カイトのために生きようと必死で闘っていたのに、あまりにも残酷すぎます。

私はリリカからのラインが届いてから泣くことしか出来ませそんでした。

すぐさま、リリカに会いに行きました。

会って見たら、リリカは余命宣告をされたとは思えないほど元気で、いつも通りのリリカで、私もいつも通りの自分でいられました。

リリカに会いにいって、私が元気をもらうなんて、、、

リリカは決して最後まで諦めてなく、母としての顔をしていました。
恐怖と、カイトへの心配と不安だらけのはずなのに、勇気と希望で奮い立たせていました。

リリカが諦めてないのに、私が諦めて泣いてることが情けなくなりました。

そこから、私もリリカにできないお手伝いをすることにしました。

リリカが愛した1年間のアルバムを作ることにしました。

1000枚にも及ぶ写真をプリントし、リリカの好きな安室ちゃんのフォトムービーを作りました。

それでも一度は決めた緩和ケアを中止して、最後の脳の腫瘍を取り除く放射線のレーザーメス手術を試みました。

診察するときに一緒にいたリリカは、いつものリリカではなく、すごく怯えていながらも奮い立たせていました。

怖い。なんて言われるか分からない。1番診察する前が緊張する。

今まで、闘病してから、良いも悪いも治療経過を診断される前ほど、どんなに不安を抱え辛く苦しい魔の時間だった事だと察しました。

リリカに大丈夫。きっと大丈夫しか声をかけれない私。

無事にレーザーメスの手術ができることとになりました。

1日でも、我が子の為に、必死で生きようと闘うリリカ。

そして無事に手術は成功しました。
手術によって失明するかも知れない恐怖に打ち勝ちましたが3月5日。

リリカは酸素マスクなしでは辛い状況となり、緩和治療に切り替えることとなり入院しました。

リリカからラインが届きました。

「明日から入院するよ。治療はやめて、緩和病棟のある所へ転院が決まったよ。24時間面会できて会えるところだよ。」

まるで最後の挨拶のように丁寧にラインをくれたリリカ。

私は、3月7日に病院へかけつけました。

酸素マストがあるはずなのに息が吸えない。辛いと必死で症状を説明する姿に、「もう大丈夫だよ、喋らないでいいんだよ。」と伝えることで精一杯な私。

リリカのリクエストのプリンを置いて、少しだけでも、ゆっくりしてほしいと、今日は帰るねと病院を後にしました。

。。。そして、その2日後.

3月9日にリリカは天国へと旅立ちました。

最後まで懸命に病魔と闘い続けたリリカ。

私は何にも力になれませんでした。

妊娠がわかってから、子供の命を誰より大切にしたリリカ。

短い時間でも、母として濃密な時間を過ごしたことと思います。

私は生前、リリカにこう話してました。

「リリカはカイトへと命を繋いだんだよ。決して誰にも出来ないこと。誇りに思って。。」

リリカは最後まで、立派な母でした。

わかれは生きてる限り、幸せの後ろをついてきます。

でも、幸せであるから、別れは辛いものだと実感できると私は思います。

お葬式にリリカの生前好きだった、AKBの「365日の紙飛行機」が流れました。

朝の空を見上げて
今日という一日が
笑顔でいられるように
そっとお願いした

時には雨も降って
涙も溢れるけど
思い通りにならない日は
明日 頑張ろう

ずっと見てる夢は
私がもう一人いて
やりたいこと 好きなように
自由にできる夢

人生は紙飛行機
願い乗せて飛んで行くよ
風の中を力の限り
ただ進むだけ
その距離を競うより
どう飛んだか どこを飛んだのか
それが一番 大切なんだ
さあ 心のままに
365日

星はいくつ見えるか
何も見えない夜か
元気が出ない そんな時は
誰かと話そう

人は思うよりも
一人ぼっちじゃないんだ
すぐそばのやさしさに
気づかずにいるだけ

人生は紙飛行機
愛を乗せて飛んでいるよ
自信持って広げる羽根を
みんなが見上げる
折り方を知らなくても
いつのまにか飛ばせるようになる
それが希望 推進力だ
ああ 楽しくやろう
365日

人生は紙飛行機
願い乗せて飛んで行くよ
風の中を力の限り
ただ進むだけ
その距離を競うより
どう飛んだか どこを飛んだのか
それが一番 大切なんだ
さあ 心のままに
365日

飛んで行け!
飛んでみよう!
飛んで行け!
飛んでみよう!
飛んで行け!
飛んでみよう!

※AKB、365日の紙飛行機より歌詞を転載

何度も、この歌が好きだといっていたリリカ。

きっとたくさんの優しさに囲まれていたことでしょう。

私もリリカとお別れをして、やっと前を歩き始めることができたよ。

リリカ、ありがとう。

こんな私を、お姉ちゃんと呼んでくれてありがとう。

最後に、呼んでくれた皆様。

リリカの愛を繋いだ命のリレーを読んでいただきありがとうございます。

リリカの病気を知って、ビリギャルのように、書籍化されたら少しでもリリカとカイトの生活費になると、リリカの協力のもと、こちらへ、ノンフィクションストーリーとして書かせていただきました。

物事が、そんな上手くいくわけないと知っていても、人生、やってみないと先のことは分からない。

宝くじも買わなきゃ当たらないと、文章能力もない私が筆をとらせていただきましたが、残念ながらリリカに貢献することは出来ませんでした。

それでも、リリカとカイトの物語をみて、勇気をもらえる誰かがいてくれたら嬉しいです。

最後までありがとうございました。



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