31歳 妊娠4ヶ月 肺ガン発見から妊娠継続治療法を選択し命をかけ出産をしたシングルマザー〜出産編〜
リリカは自分の命のリスクを背負いながらも、妊娠継続選択をした。抗がん剤治療薬(タルゼバ)を妊娠継続中に投薬した前例は日本で初めて。そして大きな一歩を踏み出した
12月13日 大学病院は月に1度の経過観察の日。
副作用もなく、引き続きタルゼバを投薬し頑張りましょう。
ただ、胎児の発育不全と羊水過小症になっております。
入院して安静にしながら経過を観察しましょう
リリカは不安になった。自分は経過は良好だが、タルゼバの副作用で、この子が影響がでていないか
心配だった。でも、この道しかリリカには残されていなかった。
だが心配するも2週間、リリカはベッドの上で安静した結果、赤ちゃんの体重も増加し羊水も平常へ戻った。
こうして、リリカはまた退院できることになったが、また1月7日にも胎児に同様の傾向が見られた為
2週間の入院と一進一退の状況が続きながら37週・臨月を迎えられたのだ。
タルゼバは前の日の3日前から休薬して分娩後も2日間は休薬し、2月27日に出産をしたいと思います。あと少し、頑張りましょう!
リリカは安堵した。あと少しで会えるねっと嬉しくなった。
2月27日 朝9時から陣痛促進剤をつかった計画分娩が始まった。
当初は帝旺切開も医師は視野にいれていたが普通分娩となった。
予想をしていたが、陣痛は想像以上に辛く、腰が砕ける思いであった。
ただ、陣痛と闘いながらも、ガンバレ、ガンバレと激励してくれる。
痛みのなか、周りを見ると、これまで、たくさんの専門医師が、励ましに駆けつけてくれたのだ。
目頭が熱くなった。
1人ではない。
がんばる。
皆の激励を受けながら、赤ちゃんとの対面の為、頑張った。
そして午後4時46分 赤ちゃんの産声が聞こえた。
産まれた、、、
産まれた瞬間、感無量の感動に包まれ、気づくと涙があふれていた。
今度は悔し涙でも悲し涙でもなく、うれし涙であった。
やっと出会えたのだ。
出合えないかと不安になった夜もあった。
不安になりながらも、どうか、どうか、この子だけでもお願いしますと何度となく天にお祈りもした。
そして、何より、一番赤ちゃんが頑張ってくれてたに違いないと思ったら、涙が止まらなかった。
頑張って会いに来てくれてありがとう。という気持ちで一杯だった。
本当におめでとうございました。
妊娠継続をしながらタルゼバ治療を行い日本で初めて出産をしたのですよ。おめでとうございます。
リリカは息子の名前を「カイト」と名付けた。
カイトには、理由があり父親はいない。
ただ、カイトには、自分の命をもかえりみずにカイトをこの世に送り出すと強い絆で結ばれていた母リリカがいる。
きっと、この先もリリカは、カイトを守るだろう。
そして、次の日。
病室には、これまで入院時に支えてくれた看護婦さんが一人、また一人と病室を次々に訪問しては「おめでとう。よくがんばったね」っと祝福してくれた。
看護師も医師も、それほどまでにリリカの前例がなく、また、何としてでもカイトを産むと決めたリリカを心から応援し、一緒に見守り続けてくれた。
そしてリリカも、たくさんの激励と祝福を受けた医師や看護師に、言葉にできないほど感謝をした。
3月7日 リリカの経過も順調で経過観察において、初めて造影剤を使用したCTとMRIをとった。
脳に転移していたガンは当初1つと思われていたが、造影剤を使用したCTの結果、当初から2つあったことが判明した。
ただ、1つは消え、もう一つは1センチから4ミリに縮小されていた。
肺のガンは原発で3センチだったが、1センチと1センチのたまころのように縮小されていた。
また、肺にある散らばっている無数のガン細胞も当初の数から半減されていた。
リリカの驚くほどの経過の良さに、医師も、このままタルゼバ投薬で治療を続けることになった。
そして、カイトも産まれて2週間たち体重も増え経過も良好で退院となった。
4月25日現在、2ヶ月となったカイトは毎日たくさんのリリカの愛に包まれ体重5キロと順調に成長を遂げている。
そして、これからもリリカは、カイトを守るため、病と向き合い闘いながら、きっと乗り越えてゆくだろう。
最後に、リリカの病気発見から、妊娠継続を選択し出産にいたるまで、計りしれない不安があったと思います。
沢山の困難を乗り越えたリリカに、私も感動と困難に立ち向かう勇気をもらいました。
人生長いです。
困難が無い人などいないと思います。
希望を持ち、可能性があるならと、闘い続けたリリカのお話しを読んで、少しでも励みになってくれたらと、リリカに協力をいただき投稿した次第です。
あきらめずに、可能性があるなら、チャレンジすることの大切さを改めて感じました。
3話まで熟読、ありがとうございます。
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