お金のことを何も知らないバカな美容師が独立するまで

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「あの〜、ご融資の件でお電話させていただいた次第でして。」



緊張し過ぎて、訳の分からない日本語が発動



「はい!かしこまりました!ご融資の件ですね!

担当の者と変わりますので少々お待ち下さい!」



1、2分くらい待った。



「はい。融資担当の〇〇です。」



「あの〜ご融資の件でお電話させていただいた次第でして。」



さっきと全く変わらずヘンテコな日本語で質問をする僕。



「では一度ご来店いただいてから

ご融資のご相談をさせていただきますので

いつがご都合よろしいでしょうか?」



「はい!僕はいつでも大丈夫なんですが、、」



「では、この日のこの時間はいかがでしょうか?」



「はい!大丈夫です!よろしくお願い致します!」



「では、この日のこの時間にお待ちしております」



「よ、よろしくお願い致します!」



電話を切り、僕はこれで大丈夫!



これで独立できる!と思っていた。



それがとんだ勘違いであるというのも知らないで。





『鬼にガチコンいかれる』



2013年1月前半



12月の忙しい時期に

電話をかけたのが間違いだった。




電話で今年中は難しいから

面談は来年の初めになってしまうと言われていた。



僕は着慣れないスーツを着て

五反田にある日本政策金融公庫に向かう。



朝から緊張し過ぎて吐き気が止まらない。

いわゆる空ゲロってやつだ。



日本政策金融公庫は3階



エレベーターで3のボタンを押す手が震えている。



それを見た時に別に鬼ヶ島に鬼退治にいくんでもあるまいし

相手はゆうても人間だぞと思ったら少し楽になった。



そして受付の女性が対応してくれ

個室で僕は担当の方を待つ。



そして担当の方がやってきた。



というか鬼がやってきた。




身長はそれほど高くないのだが

ツリ目で威圧感が尋常ではなかった。




そして初めてあったのにも

関わらずニコッともしてくれない。




ダメ押しは持っていた資料をドカッと机に叩きつけた。




こりゃ、苦手なタイプだ。




一気に緊張感が部屋を包んで背筋がピーンである。




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