「東京のお父さん」って、何だろう?

東京のお父さんは、地方出身の大学生に、親がわりになって悩みを聞いて解決し、世のため人のために尽くす人材として世に送り出すことを使命とする、私のライフワークです。



U君と出会ってから、4年半が経ちました。私の生き様、U君の活躍をSTORYSの読者にシャアしたことで、共感して頂く機会が増えました。


「俺は早稲田、お前は獨協」そこから始まるNYの投資銀行マンへの道

「GAP2.3の地方出身大学生を、外資系投資銀行内定まで支えたメール」


それぞれのSTORYSが、いまではアクセス数が、3万になる勢いです。


アメブロやFacebookの投稿にも、多くのファンの方が出来ました。その多くのファンの中で、Riki君という大学生が、私のブログに励まされて来たそうです。


Riki君は、沖縄出身の20歳の大学生です。オーストラリアの高校に交換留学していた時に、私のブログのファンになりました。それからのお付き合いです。


Riki君が高校を卒業する時に、「どこの大学へ行こうか?」をアドバイスしました。


「日本でもなく、オーストラリアでもなく、アメリカの大学に行きなさい。そして、授業料を安くするために、最初はコミュニティ・カレッジに入って、そこから四年制の大学に編入しなさい。」


そのアドバイス通りに、Riki君は実行しました。いまでは、アメリカの田舎の大学で、Speech and Communicationsを学んでいます。


Riki君は、GPAが3.5以上あるので、「Honor Student(最優秀学生)」として評価されています。そして、Honor Societyのメンバーへのご招待も頂いています。GPA3.5以上を維持して卒業すれば、永久会員の資格を得て、カーター元大統領やマケイン上院議員のような方々との交流会に出席出来るのです。


私は、現在Riki君の論文指導をしています。アメリカの大学の授業の厳しさは、すさまじいです。テキストを予習し、授業で盛んに質問と回答をし、レポートを書いて、定期テストを受ける。それら全てが成績となっています。そして、学期毎に成績がつけられ、以前の学期との平均を出して、規定の成績を保ちながら、8学期を一気に走って卒業します。


Riki君の専攻分野は、私が学んだ国際経営学とは違い、「目に見えないものを扱う」ために、論文で求められる内容が、極めて難しいです。


「心理学」「哲学」「宗教学」「論理学」・・・日本語でも難しい内容なのに、それを英語で理解して、自分の考えをレポートにまとめなければならないのです。


私は、毎週提出するレポートの内容をチェックするお手伝いをしています。レポートと言っても、750−1000文字くらいの長さになる論文です。


英検1級のライティングでも、たった250文字程度です。その3倍から4倍の量の内容を書いて、「A」を取ることを目指しています。


今学期は、16週間あります。毎週の論文の結果ですが、私が指導してからは、


A(96点)⇒A(満点)⇒A(満点)⇒B(86点)⇒A(195.5/200点)と来ました。それが、Riki君の快進撃です。


アメリカの大学にいるティーチング・アシスタント(TA)のアドバイスと添削を受けても、満点を取れなかったのですが、私に指導を受けるようになってから、満点が出て、自信をつけるようになりました。アメリカ人の学生でも難しいとされる満点です。夢に見た満点に、心が踊りました。


それから、Riki君が沖縄に一時帰国した際に、お世話になった中学の担任の先生にお願いされて、「生徒達に、あなたのアメリカでの話をして下さい。彼らには、あなたは憧れであり、話は励みになります。」と言われました。


それを知って、私と一緒に「沖縄ドリームプロジェックト」を立ち上げたのです。全国で一番失業率が高い沖縄にあって、10代の若者に夢と勇気を与えるために、Riki君が成功物語を作って、故郷に錦を飾るという内容です。Riki君には、もう待った無しなのです。


そんなRiki君は、今回の論文で、「C」を取ったのです。200点中、127点です。その落胆はひどいものでした。あれだけ一生賢明やって来たので、期待していなかった結果です。納得ができなくて、担当教授に再考を促しました。気持ちは良くわかります。


「ボクの考え方で、何が悪いと言うのか?」


怒りが収まらないようでした。


「西條さん、こんな結果をFacebookに書かないで下さいよ。」


Riki君の吐き捨てるような言葉に、私は、アメリカで聞いた言葉を思い出しました。


「教室では、教師は王様・・・教師に合わせないと、悲劇が起こる。」


アメリカのキャンパスでは、アジア人を嫌う大学教授もいます。黒人は、白人の3倍努力して、やっと同じに扱われる。アジア人は、さらに頑張らねばならない。Riki君は、今の大学で唯一の日本人です。


そして、職場でも、どんなに努力しても、評価が上がらない場合があります。人種差別は、キャンパスでも職場でもあります。それを経験して来た私だからこそ、言わなければならないと思いました。


東京のお父さんとして、私は重い口を開いたのです。


「キリスト教の大学で、進化論と創造論を論じるのは、無理があると思っています。


あなたが奮闘努力している姿を、10代の若者は見ています。苦しい時にどうしたのか?それを知りたいのです。成績が悪いからと言って、陰に隠れるようなまねはしないで下さい。


英語は武道と同じです。正々堂々として、成績が悪いのは、まだ詰めが甘いのだと思って、次回に挽回して下さい。あなたは、前回も挽回しました。だから、次回も挽回すればいいのです。


その苦しさを乗り越えてこそ、10代の若者に伝えるものがあります。彼らは、あなたの格好良さを見たいのではなく、かっこ悪くても、頑張る姿を見たいのです。


だからこそ、『ボクだってやれる』と感じるのです。


Rikiおにいちゃんでも、カッコ悪いって思うことがあるんだね。でも、ちゃんと前を向いて進んでいるんだね。そうして来たんだね。だったら、ボクだってやれる!


あなたの在り方が、若者を感動させます。自然体で、負けを正直に認めて、また新たにやり直せばいい。それが、日本人男子です。


柔道の選手が国際大会に出ている感じで、あなたも試合をしていると思って下さい。トーナメントは、まだ続いています。最後まで、気を抜かずに、進みましょう。


私も、指導しているのですから、ジェットコースターのような成績の乱れがあっても受け入れます。それでいいじゃないですか?


異文化の中で頑張っても、日本人としてどうしようもないことを経験したことが、私の最大の宝物です』と、就活で述べて下さい。


本当にできないこと、乗りこえられないことが、異文化の中であると言う事実を、実際に体験できるあなたは、素晴らしい人生を歩んでいると思います。その環境を大切にして下さい。


私は、あくまであなたの味方です。ずっとこのまま指導し続けます。たとえ、Riki君がCを取り続けたとしても、ずっと"I have been there even if you are at a loss."(たとえあなたが迷っても、私はずっとあなたのそばにいる。)そのコミットでいます。」


それから、Riki君は気を取り直して、今週末の論文を書き始めました。毎週、毎週、脇目を振る暇がないくらい、論文の作成に明け暮れています。悩んでいる暇なんかありません。


国内試合ではなく、国際試合をしている」のだと、気づいてほしいのです。いままでのルールではなく、その場にあった工夫が必要なのです。


どの環境に置かれても、凛として咲く花のように、柔軟性と辛抱強さを持ち合わせて欲しいと願っています。


「ボクは、Speech and Communicationsの専門家になるために、この大学で学んでいます。さっきの発言は、撤回します。私は、プロフェッショナルにならねばなりません。申し訳ありませんでした。」


そう言って、再び、Riki君は次回の論文の作成に取りかかりました。


『本から学ぶ』"Learn from books."

『経験から学ぶ』"Learn from experiences."

『失敗から学ぶ』"Learn from mistakes."


学ぶ材料は、たくさんあります。そして、今回の経験を通して、Riki君は、失敗から学ぶことに前向きになったのです。


『失敗してもいい。』

『やり方を変えて、すぐにスイッチを切り替えればいい。』


20歳のコミュニケーションの専門家の卵が、ふ化して大人になる様子が伺えました。


Riki君は、来年の8月には、アメリカの大学を卒業する予定です。私は、その卒業式に参加することを楽しみにしています。Global 10の英語教室の生徒さんと一緒に、参列する姿を想像しています。


それまでに、どんなプロフェッショナルになるか?期待が膨らみます。


東京のお父さんって、本当に楽しい!だから、辞められません!


ここまでお読み頂きまして、ありがとうございます。


感謝

PS: 実は、Riki君が担当教授に文句を言ったおかげで、担当教授が再評価をして下さり、CからA-(127

から180)に成績が跳ね上がりました!!やったあ〜!!



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