卒論構想

前回の卒論構想から、佐藤俊樹氏の著書『社会は情報化の夢を見る』を参考文献として研究した。そこで筆者が考察したことは、苫米地英人氏の著書『2050年衝撃の未来予想』と根本的には地続きな問題点を指摘しているのではないか?ということだ。何故そう考察したのか、共通点、接点をそれぞれ記し、それから今後の卒論の方針について記そうと考える。
『社会は情報化の夢を見る』と『2050年衝撃の未来予想』の共通点 残るのは「情報技術」ではなく、「人間らしさという付加価値」

「それに対して私が提示できるのは、やはり一つの問いかけだけである。それだけであなたは満足していられるのか、その安楽な夢だけであなたには十分なのか、と。技術は神ではない。技術が人間を救済することはできないのだ。「機械仕掛けの神」はもういない。人間を救済できるものがいるとすれば、それは人間自身なのだ。そのことから目をそらして一体何を見ようというのか、と。」(佐藤俊樹、p273)

「例えば、銀行は無人化するといいましたが、人口知能搭載の若いロボットよりも、年季の入ったいかにも“やり手”なオーラを漂わせた人間のおじさんの方が信用できるというニーズは必ず残ります。教師が人工知能に置き換わったとしたら、人間の家庭教師をつけたいというニーズは相対的に高まるでしょう。」(苫米地英人、p214)
「つまり、デジタル社会、サイバー社会となった2050年では、アナログであること自体が価値として成り立っている可能性が高いのです。そして、「アナログ=人間らしさ」であり、「人間=自我」です。つまり、必ずしもクリエイターでなくとも、やりたいことをやり続け、その世界で唯一無二の自我を発揮できれば、そこにニーズが生まれ、価値が生まれます。」(苫米地英人、p215)

この3文の共通点としては、
 情報技術がめざましい発展をとげたからといって、人間性が失う社会になることはない。
 むしろ、人間を救済できるのは相変わらず人間であり、人間らしさというアナログの価値が残る。
が挙げられる。
まとめると
 50年間の論調は情報技術の神格化、「機械仕掛けの神」が目立っていたが、技術は神ではなく、人を救わない。人間を救えるのは人間であり、その付加価値こそ人間らしさ=自我なのだ。
ということである。

『社会は情報化の夢を見る』と『2050年衝撃の未来予想』の接点 技術への責任転換から生じる生産性の低下

「「社会がこうなってほしい」というのであれば、真正面から、自分自身の願望として、そう語ればよい。そちらの方向へ社会が変わることを私たちが望んでいるのなら、私たちはその方向を選択しているのである。ならば、そのことを正面から認め、その選択に責任をとればよい。本当に問題なのは、技術に対する社会の側からの影響を無視するといった類の、事実誤認ではない。自らの選択を技術のせいにすることーその責任回避の姿勢こそが真の問題なのだ。」(佐藤俊樹、p84)
「ここから導き出される結論はひとつです。この20年、30年間で、ほとんどの人間の生産性は、テクノロジーの進歩に反して低下の一途をたどっているということです。その一方、お金のためではなく感性のおもむくままにビジネスを展開し、生産性の爆発的な向上を実現したグーグルやアップルなど一部の人間が、莫大な資産を手にすることになりました。」(苫米地英人、p196)
 その2文から
 本当の問題点は、自らの選択を技術のせいにすることーその責任回避の姿勢、あるいは受動的な姿勢。
 この20年、30年間で、ほとんどの人間の生産性は、テクノロジーの進歩に反して低下の一途をたどっている。
 一方、お金のためではなく感性のおもむくままにビジネスを展開し、生産性の爆発的な向上を実現したグーグルやアップルなど一部の人間が、莫大な資産を手にすることになった。
 この問題点をあげる。
「感性のおもむくままにやりたいことをやったという能動的な姿勢」が、グーグルやアップルなど一部の人間が莫大な資産を手にする要因になった。逆説的に考えると「自らの選択を技術のせいにすることーその責任回避の姿勢、あるいは受動的な姿勢」は「生産性を下げる要因」になる。つまり、この3点の接点として
「自らの選択を技術のせいにすることーその責任回避の姿勢、あるいは受動的な姿勢がこの20年、30年間で、ほとんどの人間の生産性が、テクノロジーの進歩に反して低下の一途をたどっている原因になっている。」
ということになる。
 以上のことから、2冊の参考文献の根本的な主張は密接に繋がっていることを指摘する。

参考文献
佐藤俊樹(2010)『社会は情報化の夢を見る』河田文庫

苫米地英人(2017)『2050年衝撃の未来予想』TAC出版

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