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13/5/23

もう40年も前の、学生運動の話 第一回

Image by Olia Gozha

ちょうど40年前の5月31日

高校時代を遊び、浪人時代さえ遊んで入った大学で、入学から2か月を過ぎようとする頃にその騒動は起こった。

当時の僕と同級の仲間たちは、1回生からゼミに参加することができるという、ちょっと稀な経験をさせてくれる学科を選んだために、五月病とは無縁の生活を送っていた。(もちろん単位はつかないが)

4回生・神様、3回生・貴族、2回生・平民、1回生・奴隷。というのが学生の身分制度だとしたら、当時の僕たちがなぜかこの身分制度を飛び越し、神様ともタメぐちという「枠外」の身分を得ていたことも、この騒動を十二分に楽しめる要素になっていた。

(この身分飛び越しの理由も、騒動の中で明らかになった)

ともかく「大学は楽しい」「上級生とも臆せず話せる」という、抑圧された高校時代とは比べ物にならない自由さの中で、その自由を阻害するものとしてその騒動は起こっていった。

真夜中に、工務店が襲撃?

5月31日の前日。朝から、上級生たちがなんとなくソワソワしていたのは感じていた。

上級生たちは教授連中の控室に何度も出入りし、学生がたまり場にしていた部屋で深刻な顔をして話し込んでいた。

と、中の一人が

「今日は、1回生もてきるだけ残っててくれへんか?」と。

お。なんか始まる? それ、面白い? と1回生の僕たちは事情もわからずワクワクしてしまっていた。

ところが、昼を過ぎ、夕方を過ぎ。でも、席をはずしている間に面白いことが終わってしまうのもイヤで、ダラダラとたまり場で過ごしていた。

なかなかコトが始まらないと、理由もわからず待機しているのには飽きてくる。バイトに行くやつ、とりあえず寝に帰るやつ等続出。そのうち日も暮れて来て、さすがにマズイと思った上級生が、それでも残っていた7、8名の1回生を連れて電話のある下宿に移動。

自宅人だった僕は先輩の下宿に興味津々で、かなりぎゅうぎゅう詰めの台所の隅で、冷蔵庫から勝手に出した魚肉ソーセージなどをかじっていた。

板の間で、お尻も痛くなって来た頃。すでに夜もかなり深けていたと思う。

「○○さん。電話!」「前にも言ったけど、夜中の電話はやめてもらうよ!」

と、大家さんの声。当時、携帯などというものは存在せず、固定電話でさえ大家さんの家の電話を使わせてもらえれば上等だった。

電話を受けた先輩が帰ってくると、

「大学に戻る! 工務店が襲撃してきている!」

えぇ~! 夜中に大学に戻る? しかも、工務店って何?

時計を見れば、夜中の0時過ぎ。そう。問題の5月31日が始まっていた。


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