娘に伝えたい、僕がクビになった話

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でも、何よりも充実感があり

心が満たされていた。



そんなある日、

異動が決まった。



お世話になった上司の元を

2年で離れることになった。


僕の中では、

次の上司のために頑張れるか

不安な気持ちが大きかった。


周りからは色んな言葉をかけられた。


皆から求められているってことだよ、

沢山仕事を覚えられてすごいよ、

そんなに経験できるなんていいね、



そんな言葉は僕の心には響かなかった



他人の考えは他人の捉え方であって

それは僕の現実の捉え方ではない。


僕の内側は、不安しかなかった。


でも、僕はその不安を他人には言えなかった。

言うとバチが当たるようで怖かった。


でも、ここで我慢せずに

心の声を大きく発するべき

だったのかも・・・しれない。



次の上司は

最初の頃は優しかったが、

日に日に僕は

怒られる事が多くなった。


日に日に、

監視の目が強くなっていった。


異動したばかりの時の

あの不安が当たった。


僕はいつしか、

2番目の上司のために

頑張れなくなっていた。


上司が嫌で嫌で仕方なかった


僕は前の社長を思い出した。



あー・・・

あの時も同じように毎日怒鳴られてたな。


また辞めなきゃいけないのか。


やだな

やだな

やだな

やだな・・・



気づくと僕は



夕飯の支度をする奥さんに

辞めたい、

と伝えていた。


異動してから半年のことだ。



キッチンの灯りだけの夕方。


僕の気持ちを表すように

夕方の家の中は薄暗かった。



大きな失敗をしたこと、

これまでになく怒られたこと、

全てを奥さんに話した。


すると奥さんはこう言った。


仕事には波がある。

いい時もあれば悪い時もある。

そんなので辞めてたら、

またあの無職の時みたいになるよ?



落胆した。



それはガマンしろ、

という言葉だった。


僕はまた毎日、

ズキズキという不安で目が覚め

ズキズキという不安と一日を共に過ごし

ズキズキという不安を落ち着かせるように寝た。



来る日も来る日も

ズキズキは離れなかった


土日も、ふとした瞬間にズキッと痛む。


日曜の夕方には気分が落ち込み、

何もやる気が起こらなくなる。


僕はこのズキズキと

一生付き合わなければいけないのか?

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