口下手童貞少年、ナンバーワンホストになる ① 決意編
月に帰りそびれたのかい?
それとも月へ帰る為の資金をここで内緒で貯めているのかい?)
18歳の少年には衝撃的だった。
写真映りが悪いだけで、実物はNO1に恥じないとてつもなくかわいらしい女性だった。
(こっ、こんな娘が私のMY SONを・・?信じられない・・・)
部屋へと通されるやいなや
「じゃあシャワー浴びよっか。」
「ハッ・・ハイ。」
さっき初めて会ったばかりのかわいい女の娘が・・すでに裸になっていた。
スタイルもいい・・。
逆に緊張し過ぎて私のMY SONがクールな状態になってしまっていた!
(コラコラ、お前は恰好つけなくていいんだよ?
逆に女の子は一生懸命な男の子に惹かれるってなんかのアンケートに書いてあったぞ?
どうした?いつものままのお前でいればいいんだぞ?)
・・・・駄目だった。
MY SONは親のいう事を無視し恰好をつけたままであった。
女の子「あれ?なんかダメだね?」
私「いや~、緊張しすぎてるわ。」
女の子「なんで~、緊張する事ないじゃん!」
私「実は・・・・こういう所初めてなんだよね。(それどころか童貞)」
女の子「そうなんだ~。じゃあとりあえずベッドに移動する?」
・・・・・駄目だった。
この時程親不孝な息子をもったと思った事はなかった・・。
さらに自分自身も、弱い人間であった。結局、最後まで女の子に指一本触れなかったのだ。
(触ったら嫌がるかな?)
などとそんな腑抜けた事を考えてしまっていた。
私「ゴメンネ。やっぱり緊張しすぎてるわ・・・もういいよ。」
女の子「そう?こっちもなんかゴメンネ。」
バカバカ、自分のバカヤロー!!
もっと裸を見ていたいのに・・・
もっとおっぱいを見ていたいのに・・・
チキンなハートの自分を責めた・・・。
その後、10分程度だったと思うが
まだ時間が余っていたので、
女の娘と話をする事にした。
私「なんで、ここで働いてるの?」
女の子「ちょっとね・・・・。」
さすが初心者!
楽しい会話ではなく、いきなりデリカシーのかけらもない質問!!
松坂投手並の150キロのど真ん中ストレートを投げ込んでしまった!
女の子「でも・・一か月後に私辞めるんだ。」
えっ?まじっ?
じゃあ一か月以内にまた来ないともう逢えないの?
でもまだバイト代あるし……
私「辞めちゃうんだ・・・。
じゃあ今月中に絶対また来るよ。」
女の子「本当に!?ありがとう!」
そして無情にもタイマーが鳴り響いた。
女の子「今日はありがとね!
また待ってるから!」
私「こっちこそありがとう。」
頭の回路がショートしていた。
指一本も触れてないのに…
ゴールもしていないのに…
途中で相手を気遣って早めにプレイをやめたのに…
16000円も払っているのに……
・・・私は心の底からお礼を言っていた。
店の外に出たとき、
私が一番遅く入ったという事もあり、
すでにMとIは待っていた。
M「どうだった?」
私「いや~、めちゃめちゃかわいかった……。まじで。」
I「俺は……まぁまぁだったかな…。」
M「俺も……。」
残り物には福がある!!
この時ばかりは、このことわざを信じた。
それから一週間程度の間、私は恋に落ちていた…。
しかし結局は一人でヘルスに行く勇気などなく、フィニッシュも出来なかった為かイマイチ足がすすまず、
再度Pへ行くことはなかった……。
余談だが、その子はその後、
半年経っても風俗誌に載っていた。
大人の世界を少し学んだ私だった…。
Pを出た時にはすでに、
夜は長袖でも少し寒いと感じる季節になっていたのに気付いたボーイズ。
(はぁー。俺、何がしたいんだろう?
どういう大人になってるだろろ…。)
まったく先が読めない不安、
何かしたい事も別にない焦り、
指一本も触れなかった後悔と少し寒くなった季節のせいか、
夜の空を見上げてつぶやいていた……。
あなたの親御さんの人生を雑誌にしませんか?
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