純情ホスト① 立て直し編

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口下手童貞少年、ナンバーワンホストになる①~⑱

からの続きになります。



ほんのり田舎育ちの少年。

夜間家に鍵をかけないような家庭だったので、

適度に人を疑うという自己防衛を身に付けるのに時間がかかってしまっていたのかもしれない。







ホストの大半が飛んでしまった、我が職場であるホストクラブ「B」。

ほぼ壊滅状態だったが

いつまでも上の人間がその状況を静観しているはずがない・・・。



1月の末、グループ内のもう一店舗のホストクラブから、上の人間が派遣されてきた。

名前はSYさん。

Bでの役職はSY社長になった。

もちろん、雇われ社長である。

普段は温厚な人だったが気分屋で、一旦スイッチが入ると何をするかわからない怖さがあった。


顔は・・・

正直イケメンではなかった。

背も165cmぐらいか?

スタイルがいいわけでもなく、なぜ社長に抜擢されたのか不思議に思っていたぐらいだ。


SY社長と仕事をしていく内にだんだんとわかってきたが、

グループのトップに愛想を振りまくのが上手く、

トップに可愛がられていたからこその人事だった。




あまり詳しくは書けないが、グループのトップはとてつもない威圧感をまとっており、

自信の表れだろうか、大きい声で勢いよくしゃべる人で、それがまたホストを萎縮させていた。

車はフェラーリ・運転手付きのベンツのSクラス・ベンツSLクラスのクーペ、

エトセトラエトセトラ。

自宅は高級住宅街に豪邸。

クルーザー所有。来るたびに高級時計は違うし、その時計一つ一つもかなり高そうなものだった。

その頃の、もう何年も前の話なので大丈夫だと思うが、

誰もが知っている有名人を何人も店に連れて来たりもしていた。


極めつけは


「殺すぞ。」


と言う余りにもありふれた発言がリアルに感じるような人だった。


そんな理由から、今思うのは

SY社長がトップに媚びを売っていたとしても、

その様な人の前での、

「極度の緊張状態」と「恐怖からくる萎縮」

という状況の中で、トップに気に入られる程のトークを出来るというのは、

それはそれですごい事だったのではないかと思う・・。



そして

その壊滅状態から、SY社長が立て直しを開始した。


立て直し第一弾として、

とりあえずは繋ぎだったのだろう。

かなり驚いた出来事が起きた。




名古屋の老舗ホストクラブから、

経験豊富な年上のホストたちが6名程入店した。

歳はみんな26~32歳ぐらいだった。


その頃の私たちからしたら、

超お兄さん(おじさん)である!




私(いきなりおじさんがいっぱい来た!!!!)



と思っていたら、スーパーおじさん軍団だった!!


若干の型落ちではあるものの、6名の内3名はベンツで出勤、

連れてくるお客さんも年齢が高く、私たち小僧には見向きもしないようなマダム達だった・・・・。




そのおじさん軍団の中で、リーダーはUさんと言う名前だった・・・。

歳は28歳ぐらい。


センター分けでサラサラの茶髪が子供っぽい感じではなく、

上品で程よい感じのホスト風味を醸し出していた。

肌は健康的な黒さを維持されており、

細い切れ長の目に悪さを感じさせた。




とてつもないオーラを放っていたが、

振る舞いは非常にジェントルマン。


落ち着いて話す人で、自分のペースが崩れない人だった。

マイペースとかではない。


相手を自分のペースに合わせさせるのだ。




子供だと思われていただけだと思うが、

私たちに、おじさん軍団はみんなとても優しかった。




Uさんは、さすが老舗のプロホストのリーダーであった。

Uさんのお客さんは、ソープの女性が多かった・・・!

ソープのお客さんを捕まえるのは非常に難しい。



名古屋から一番近い有名なソープ街は岐阜県にある、「金津園」という地域である。

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