純情ホスト② ダメホスト編

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MKさん「もっとガツガツ行けよ。」


私「・・・・・はい。」


そんな風に怒られるのが日課になっていた。

今であればMKさんが正しい事を言っていたのだと思える。

MKさんも立場上言わなければいけないのもあったのだろう。

それはそうだ、ホストはいつまでもできる商売ではない。

履歴書にも書けない・・・。

つまり


1 早めに見切りをつける
2 ホストでお金を貯め将来は自分で何かをやる


しかない。


ホストをやっている以上それは宿命なのだ。

プレイヤーのホストとしては、いつまでもやれる商売ではない。


自分に真剣に向き合っていなかったからなのか、

その時の自分には辞めるという選択肢はまだなかった。

中途半端に生活ができてしまっていたのも原因かもしれない。


ホストは辞める奴はすぐ辞める。

なぜなら、生活がすぐ成り立たなくなるからだ。


そして、次の段階にも2種類があった。


「ホストとしてしっかりとお金を貯める事ができている人間」


「中途半端にお客さんができて、生活ができてしまう為、

お金は貯まらないがダラダラ続けられてしまう人間。」




私は、後者であった。

MKさんに何度言われても、自分で本当にお金が欲しくて欲しくてしょうがないと思っている訳ではなかったので、MKさんに言われる事を実行に移していなかった。


「ホストが寝るな。」

「寝るのもお客さんと寝ろ。そうすれば、寝ている時間も仕事になる。」

「マメに連絡しろ。」

「暇ができたらキャッチしろ」



毎日に近いほど怒られて私は弱りだしていた。

今であれば、気にかけてくれているからの指導だと思える。

だがその時の私は、MKさんと私のホストとしての志の違いを肌で感じ、

差が歴然としすぎていた為に、それが余計に自分のダメさを感じさせた。


(俺、今はなにが目的でホストやってるんだろ?女?それも一つある。

でもやっぱりお金も欲しいよな・・・・

このままダラダラ続けて、最終的にお金がなかったら・・・みじめだよな・・・

ブランド物を身に着けていたって・・・・実際の生活を考えたらS君と5畳に二人暮らし。

食事はなんとかお客さんに食べに連れて行ってもらってる状態だし・・・。

もう2年もホストをやってるのに売上なんてクソみたいなもんだし・・・。)


久しぶりに

アデランスのお世話になりそうな程悩み出していた。




そんなダメホスト全開だった私だが、

一念発起し、お客さんとホテルに行った事もあった。


・・・そこでまた、ダメホスト爆発だった。





好きだという気持ちが入っていないと、体が反応しないのだ。

そう、起たないのだ(ノー ボルケーノ)

酒に酔っているという事も原因の一つだとは思うが、


MY SONが反応しない。

好きでもない女とホテルにいるという事が自分の頭を冷めさせる。

女の子が近寄って来た時に考えていた事は正直


(近寄ってくるんじゃねぇよ!)


と思っていた。

結局、酔っているという事を理由にしてなんとか逃げていた。

ちょっと私はデリケート過ぎたのだろう。



好きではない女でも、本能のままに抱く様な・・。

そういう意味で、男らしい男でないと成り立たないのであろうと思う。

女性は軽蔑するかもしれないが、もしその立場になったら、

抱くべき時にしっかりと抱いてくれる男の方が結局は女性も惚れるだろう。

THIS IS MAN である。




やはり体の関係があると全然違うのだ。

女性も情が入るのか・・。

本当に助けて欲しい時に助けてくれる可能性がグンと上がる。

女の子の態度も変われば強気に頼み事もしやすくもなる。


よく水商売のホステスさんなどは、

「お客さんと体の関係になったら、ダメよ。お客さんが来なくなる。」


などというが、ホストの場合はまったく逆である。

男と女でこうも違うものなのかと思うが・・・。



私の場合は最悪で、

ホテルや家に行って何もせずに帰る。

(近寄るな!)

と思っているのが態度にもでてしまっていたのかもしれない。

そうなると、ホテルや家に行くのがむしろ逆効果であったであろう。

相手の気持ちを考えればそれもそうだ。




純粋な事がいい事だとは全く思わない。

抱けない事によって、むしろホテルや家に行く前より関係が冷める事の方が多かった。



そういった意味で、完全にホスト失格であった。

無理矢理はもちろん論外だが、

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