「大学を良くしよう」としたら殺されかけた体験談 -学習院大学での実話-

・前置き:「大学」の役割

「大学」に何を求めるかは人それぞれでしょう。

ただし、学校教育法にはこの通り示されています。

「大学は、学術の中心として、広く知識を授けるとともに、深く専門の学芸を教授研究し、知的、道徳的及び応用的能力を展開させることを目的とする。」

「大学は、その目的を実現するための教育研究を行い、その成果を広く社会に提供することにより、社会の発展に寄与するものとする。」

つまり、法的には「学術のための場所」であり、「社会の発展に寄与するための場所」です。だから私立大学にも「私学助成」という形で税金が投入されています。


・学習院大学に入学してから

2016年4月、3月に地元の高校を卒業した私は、東京都豊島区にある学習院大学に入学しました。当時の第一志望であった中央大学法学部には落ちたものの、学習院大学が皇族や閣僚を輩出していることもあって「真面目に学べる」と期待を抱いての入学でした。

ある日、私が授業に向かっていると、廊下の向こうから同じ学科の学生が数名、歩いて来ました。すると彼らは私を指差して「あ、あいつ、超真面目なやつじゃん」と言いました。

……年間100万円を超える学費と一人暮らしの生活費、併せて1000万円に達する費用を親に出してもらい、「勉強」のために大学進学して4年間を捧げることを決意したのですから、勉学に励むことは当然のことでしょう。

しかし、学習院大学において、それは「笑われること」だったのです。

私は深く失望させられました。


・ヨット部に入ってから

とはいえ、勉学の傍らで部活動にも励みたいと思い、副総理の麻生太郎氏もOB(※麻生太郎氏はOB会の「桜帆会」の理事も務める)である、学習院大学ヨット部に入ることにしました。

そこでは信じられない体験の連続でした。

4月に高田馬場で開かれた飲み会では、同級生(18歳・19歳:未成年)は当然のように飲酒。酒を飲まないでいると「何で飲まないんだ」と先輩たちに詰め寄られ、当時の副将(現在は主将)に「飲まないと携帯を没収するぞ」と意味不明の発言すらされました。

さらに5月の入部式では「儀式」として日本酒を飲むことを強制され、6月に開かれた甲南大学との定期戦(通称「甲南戦」)に付随して開かれた「レセプション」では、当時の「1・2年生は一発芸をしろ」という指示すらありました。

ニュースサイトを開けば当然のように「飲酒の強要」や「一発芸の強要」はハラスメントとして扱われており、その考えも一定の社会的認知を得ていると言っても過言ではないにも関わらず、学習院大学ヨット部の先輩たちは飲酒や一発芸を強要してきたのでした。


・「大学をもっと良くしよう!」と決意

そんな学習院大学の現状を顧みて、少しでも大学を良くしようと立ち上がることにしました。学内の友人や、他大学に進学した高校時代の友人の協力を得て、まずは「未成年の飲酒をなくそう!」との旗印で行動を始めました。

未成年の飲酒が確認できたサークルを大学に報告したほか、TwitterやWebサイトでキャンペーンも展開しました。

併せて、私がヨット部で受けたハラスメントも大学に相談しました。

学習院大学の学生として、「少しでも大学が良くなれば」と願っての行動でした。それが私なりの「愛校心」とでも言うべきものの発露でした。

・ネット上での個人攻撃、キャンパスでの嫌がらせ

しかし、それを快く思わない学生もいました。

後輩に飲酒や一発芸を強要することで支配欲を満たしたり優越感を感じたりする体育会系の学生。女子学生を酩酊状態にして、その下半身を狙う「飲みサー」「ヤリサー」の学生。


彼らからすれば、私たちは「脅威」でした。

そして彼らは、実際に多くの嫌がらせ行為に及んできました。

Twitterでの個人攻撃や個人情報拡散。2chでの誹謗中傷。実家やバイト先をTwitterで晒され、ある学生は「大学やバイト先から尾行して自宅を特定してやる」とすら言ってきいました。

さらには「ストーカー」や「詐欺師」といった根も葉もない噂を流され、その噂は他大学にまで広められました。

そしてキャンパスに入れば罵声を浴びせられ、暴力を振るわれかけ、勝手に写真を撮られてTwitterにアップロードされることもありました。命の危険を感じたのは、1度や2度ではありませんでした。


・黙殺する大学当局

そんな状態を知ってか知らずか、大学当局は黙殺に近い態度でした。というか、今なおその態度を続けています。

私が未成年の飲酒を報告した一部のサークルについては処分を下したものの、その多くは手付かずのまま。ヨット部についても踏み込んだ姿勢を取らず、一発芸の強要に関しては当時の学生課事務長は「学習院の体育会系として問題ない」とすら明言したほどです。


・精神的に疲弊、大学名をニュースで聞いただけで貧血に

「大学を良くしよう」と志を抱いた結果、多くの学生から嫌がらせ行為を受け、大学当局からも救済を受けられない、そんな状態になりました。

大学に行かなければならないと思うだけで手が震え、実際に医師からも病名を宣告されたほどです。

先日、初等科から女子高等科まで学習院で過ごされた、眞子内親王殿下のご婚約の報道がありました。報道内容それ自体は素晴らしいものの、それを報じるNHKの特別番組で「学習院」という単語が連呼され、当時の同級生がさも学習院を素晴らしい学校であるかのように話しているのを聞いて、私は貧血を起こしてしまいました。

それほどに、私の精神は疲弊して消耗していました。


・まとめ

希望を抱いて入学した2016年4月、まさかこのようなことになるとは到底思えませんでした。

みんなの読んで良かった!