働き始めて半年経ち、そろそろ日雇い労働者と名乗っても良いような気がします。(3/3)

3.日雇い暮らしは、面白い。


時と場合、相手により、自分の仕事を「日雇い労働」ではなく「日雇い派遣」と呼びます。

私の周りでは、これらの使い分けとして、

「日雇い労働者」…昔ながらの寄せ場で仕事を得る、男性日雇い労働者

「日雇い派遣」…寄せ場以外で得る日雇いの仕事や、その仕組みで働く当事者

というイメージがあるようです。

私は自分の職業を「アルバイトです」と言っていましたが、ある仕事の面接では、私の話を聞いたあとに「日雇いですね」と言われて、「ああ、私は今日雇いの仕事に就いているのだな」と思ったのです。


現場の楽しさ

私が現在、日雇い派遣で従事している作業は、運送会社の倉庫内で、さまざまな商品を、通販などの伝票の通りに持ってきて仕分けたり、検品したり、段ボール箱に梱包したりすること。

図らずも、農家に住み込み派遣していたときの希望がかなった仕事内容でした。非常に面白いのです。倉庫は、IKEAに及ばずとも天井がやたら高くてワクワクしたり、逆に食品を扱う場所で冷房を効かせるためか低かったり、床にオイルが塗ってあるため歩くたびに氷上のように滑ったり、逆に走りやすいため足のブレーキを小刻みに使ってパパッと動く現場もあります。


個性豊かな労働者たち

日雇い派遣が、自分たちで作業の道具をそろえているのも注目したいところ。見た目では分からないおしゃれな安全靴だとか、ガッツリ作業用のものだとか、ユニフォームであるタンクトップと洋服の色合いを組み合わせていたりだとか、様々です。「怪我をしないため、足首の隠れる丈のズボンを履く」など現場の基本を抑えたうえで、それぞれ自分らしくファッションを楽しんでいる様子。


また、日雇いという働き方は、場合によっては社会保険に加入しないため、自分の体調管理がなっていなければ、この仕事で生活を続けていけません。これは、おのおの自分のプロフェッショナルになっていると感じられたのです。

様々な経歴や本業を持つかたがたとの出会いにも驚かされています。現代アーティストだったり、有名ブランドのバイヤーさんだったり(数か月間の海外出張から帰還したので現場に入れます!って一体どういうこと!?)、教育現場で頑張るセクシュアルマイノリティのかたに興味深い話を伺ったこともありました。介護と両立しているお母さんも多いですが、すごく若々しかったり、個性を生かしたおしゃれの得意なかたが多いのはなぜだろうか、と思います。


やりがいを感じて働く

今回記事を書くにあたって、ちょっと気になったのがこちらです。

「日雇い労働者」_____

日々雇用される労働者。一般に雇用関係が一定せず,その職種や職場が絶えず変動する不熟練労働者であることが多い。(ブリタニカから引用)

_____________

「日雇い労働者」という言葉では1度だけ現場に入った人も含むかなり幅広い言葉だと思います。同じ現場に継続して働くことで、身に着く作業量や教えてもらえる仕事内容が全然違ってきます。面白い、居心地が良い、と思える現場があったら、入る回数を徐々に増やしていくと新たな世界が見えてきます。


最初の頃は、人数の多い現場に入っていました。1日のうちに、シフトの時間帯も派遣会社も多様な人々がどんどん入れ替わります。その日聞いたらある程度出来てしまうシンプルな作業内容が多いです。また私は身体的にも外見的にも一応は女性ですから、重いものが持てないならば簡単な作業に回してもらうことも比較的簡単です。

だれも私の名前を覚えないからこその自由人間関係を築かなくて良いという開放感がありました。体を動かして時給を頂く。ただ、働き始めた1日目からすでに「働き始めたばかりの20代前半の自分では、この大きな現場に時折入るだけでは仕事が身につかないぞ」と思ったことも確かでした。

逆に小さめの現場では、顔も名前も憶えてもらって、作業内容も教えてもらいやすいです。単純に、現場に人が少ないからお互いの声が聞こえやすいですから。とある現場において、初めて名前を呼んでもらったとき、「あ、また来よう」と単純に明るい気持ちになりました。

基本的には、「1日でも多く現場に入った人の方が仕事を知っている」というシンプルな状況で、毎日を過ごしていくのが、分かりやすくて嬉しいです。

学生時代から続けている似顔絵描きの予約が入れば、その日は調整して働かなくて済みますし、来週の予定が決まっていないという生活はホッとするものがあります。

仕事の時間と運動が一致していることも嬉しいです(万歩計で測っているのですが、最低でも1日10㎞ほど倉庫内を歩きます)。長距離走の成績が良かったからか、私は健脚です。また、両親ゆずりでガタイが良いですから、重いものを運ぶ作業にやりがいを感じます。学生時代のアルバイトや、前回の記事でご紹介した経歴に漏れているアルバイトがあったからこそ辿り着いたこの仕事。日雇い派遣で働き初めて数カ月目、私はとある小さな現場で、生まれて初めて社会人として働いている(自分を発揮して働けている)」という実感を得ました。


2017年11月15日追記
「ブランドのバイヤーさん」が正しいのか、ご本人に聞いたところ、

元取締役でした。社長さん、、、?!​
私も知ってる有名企業等について、話が聞けて面白かったです。

みんなの読んで良かった!

STORYS.JPは、人生のヒントが得られる ライフストーリー共有プラットホームです。