デメギョ生徒会長になる。1



キッカケは学校の二階に登る踊り場だった。

「オイ、大久保 ちょっといいか。」

スポック船長 いや、簿記の張本先生 髪型がスタートレックのスポック船長そのもの、年中変わらない髪型は、アデランス疑惑をかけられる程だ。

「今度生徒会長の選挙あるだろう。お前出てみないか。」

誰も立候補者居ないんだろう。何のメリットも感じない。誰か真面目な奴に声かければいいものを、だいたいスポックいや、張本先生が生徒会長のことを気にしてる自体おかしい?

なんか裏があるのか?

でも誰もやらないことをやるのが好きっていうか、成績は下から数えた方が早いし、部活は応援部、禁止されてるバンド活動、バイト、その他諸々犯罪にならない程度の事をやり尽くしてる俺が生徒会長ってのも面白いかって思ってしまった。

「出ても良いけど、誰か対抗馬を立てないと面白く無いよ。」

張本先生先生はニヤッとして😁

「林田を立てるからお前も出るって事でいいな。」

ポンポーンって俺の肩を叩いて、階段を降りて行った。スポック船長だからあんまり感情が表情に出ないんだけど、喜んでる足どりだった。

生徒会長か-----。何をするんだか分かんないけどもうなった気になっていた。

まず文化祭でバンドコンサート、近くの文化会館で学校にバレないようにこっそり定期的にやってるけど、堂々とやってみたい。Owensのコンサート、僕の所属してる応援部の二年生の大半はロックバンドOwensのメンバーだ。禁止されてるけどこれはなんとかやる。やれると思う。

あと何と言ってもセーラー服、市内の高校で最も可愛いとされてる制服、俺の中でだけど、冬服はそうでも無いけど、中間服、春とか秋に着るやつ、上は白地に襟と袖がネイビーブルー、下はネイビーブルーのスカート。男子は学ラン。

伝統的で、清楚で、何と言ってもかわいい。そんな俺の一途な想いと裏腹に女子の一部でセーラーなんて古臭い、都会の女子高生のようにブレザーを着たいという都会かぶれのバカチン達が騒いでるらしい。そんな話は必ず潰す。

生徒会長の権限は有るのか無いのか、強いのか弱いのか、でもやる気になってきた。

あと大事なことがもう1つ、新入生の中からかわいい子を見つけて彼女にする事。

うちの高校は元女子校の商業高校で、7割女子。なかなかのハーレム状態のようでも、今まで彼女が出来なかった。生徒会長という肩書きができれば、彼女作りに有利に働くはず。

これも必ずやり遂げないと、なんのために生徒会長をやるのか意味がない。

俺の中だけのマニフェストは決まった。

問題は対抗馬の林田。古くから続く酒蔵のおぼっちゃま、スマートな立ち振る舞いで女子の人気も高い。彼女いない歴2年の俺はもちろん低い。

しかーし!面白トーク力は自他共に評価は高い。負ける 戦をするつもりは無い。

「デメギョ。帰りはコスモス寄らずにバスで帰ろう。」教室に戻った僕に声をかけて来たのは、末永裕之。あだ名は米、末永米穀店の跡取り息子だからみんなからコメと呼ばれてる。

ちなみに俺は目がデカイからデメギョ。家が近くで、小学生の頃からの親友だ。

「うん。米はタバコ吸わないからなぁ〜。じゃあ帰りに米ん家に寄るよ。ちょっと面白い話もあるし、こないだ置いて帰ったタバコもあるだろ。」

「タバコはあるよ。でもエロ本はどこをどう探したって無いよ。」

「昨日俺が買ったばかりのデラべっぴんはどうしたの?」

「捨てた。必要ないから。」米はさも当然という顔で自分の席に戻っていく。

ちょっと待ってくれよぉ〜。いつも買ってるエロトピアの3倍の値段するんだぞう。まだ袋とじ開けてもないのに。

いつも帰りにはコスモスってお好み焼き屋で、他校の野郎どもとタバコ吸いながら親交を深めるとこだが、今日は米ん家で生徒会長になるための戦略会議しないといけないから、エロ本のないボロい離れの部屋に行くとしよう。

校門を出ると目の前はお城。お堀端の桜並木を🌸通って大手のバス停まで、夕焼けがお城の白壁を照らし、彼女と歩くには最高のシチュエーション、でも隣はいつもの米。

「それで面白い話って何?」おしゃれ小僧の米は制帽を被らない、ヘアースタイル乱れるからだろう。前髪が長すぎて少々ウザい。今度寝てる時にon the 眉毛で切ってやろうと思ってる。

「うん。張本先生が生徒会長に立候補しろだってさ。」ちなみに僕は登下校の時いつも制帽をかぶってる。応援部に代々伝わるボロい帽子、つばはエナメルでやけに光ってて、普通の制帽とは明らかに一線を画す。

「対抗馬に林田を出して選挙することになったんだ。そこで選挙参謀の米に勝つためのアイデアを出してもらおうと思って。」

「ちょっと待ってデメギョ。面白い話って生徒会長になるって事かぁ?あんなもん真面目な優等生がやる仕事でしょ。誰もやりたがらないもんやから立候補者がでないわけやろ、どこが面白いわけ?それに俺が選挙参謀っていつ決まった?」

「うん。言いたい事は良くわかる。生徒会長って面白そうなんて考える奴は居ないというところが面白いんじゃないか。う〜んワクワクして来た。とりあえず選挙に勝つための戦略考えてよ。参謀。」両手で強く米の手を握りしめた。米はすぐに振りほどき。

「結局参謀やらなきゃなんだろ。いつもそうだ、こないだのコンサートの時も照明やミキサーなんかの機材の手配。お金の収支。全ての裏方仕事誰がやったか知ってる?デメギョは今回のコンサートはでっかい箱で派手にやろうと言っただけだぜ。」

「米。言いたい事は良くわかる。俺だってチケット頑張って売ったよ。裏方仕事は誰がやったか今まで知らなかったけど、いいコンサートになったじゃないか。楽しかっただろう。」

諦めたように米は「ああ、楽しかった。でも今回の選挙戦面白いとは思えないんだけど。」

「相手はあの林田だぞ。少々金持ちだからって気取りやがって、いつも女の子と楽しそうに喋ってるだろう。悔しくないか?ムカつくだろう。今回コテンパンに叩き潰す。」

俺の熱いパッションが伝わってないのか米は「別に俺は林田のこと何とも思って無いけど、デメギョが叩き潰したいんなら------。別に喧嘩するわけじゃ無いんだろう?」

「もちろんだ。選挙終わればノーサイドだ。」

大手のバス停からオンボロバスに🚌乗り込んだ。











 


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