第2章〜天狗になってどん底に落ちた〜

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背徳感に押し潰されたことは

これまでかつて一度もない。

 

 

 

 

そして、経済的にも生活ができなくなってきていた11月。

 

 

僕はまるで逃亡するかのようにその塾から姿を消した。

 

 

 

こんなに情けない男がいるだろうか。

 

 

 

情のかけらもない。

 

責任感もくそもない。

 

 

劣等感絶望感虚無感悲壮感

 

ありとあらゆる負のスパイラルに僕は初めて飲み込まれ

 

自分を責め続けた。

 

 

 

悔しいなんてものではない。

 

ペットが死んで以来の涙も流した。

 

 

 

彼らは国を作り上げた。

 

教室が領土

国民が生徒

主権が教師

 

国家の三原則までしっかり満たしている。

 

 

 

彼らにできるのであれば

 

僕にだけできないなんてことはないはずだ。

 

そのとき、僕は誓った。

 

 

死ぬまでに、

必ず自分の国を作ること。

 

 

根性だけは幾度なく浴びせられた

「お前には無理だよ」に徹底的に鍛え上げられてきた。

 

 

では、国家を統率するために必要な力とはなにか。

 

 

統率力とは何から成るものか。

 

 

僕は必死に考えた。

 

 

そして答えはいとも簡単に出た。

 

 

 

何よりもまず必要なものは

 

人に価値を提供する力。

 

未来を見せる力。

 

欲求を掻き立てる力。

 

大衆を扇動する力。

 

 

 

そう、営業力だ。

 

 

 

迷いはなかった。

 

 

 

僕は慣れた操作でTwitterを開き

なるべく営業の叩き上げで生きてきた経営者をとにかく探した。

 

 

 

 

しかし、そんな大物の経営者がそもそもtwitterで簡単に見つかるはずがない。

 

 

 

見つかったとしてもこんな中途半端な人間に時間を割いてくれるとも思わない。

 

 

しかし僕はそれでも

どうしても諦められなかった。

 

 

あの出欠多量で命を奪われた自尊心の亡霊が黙っていられるわけもない。

 

 

ツテもない。コネもない。

だけど諦めなかった。

死に物狂いで探した。

 

 

 

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