インドの山奥で修行してきた話-8 【振り返るとこれがこの旅唯一の観光シーンであった】

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1997年10月26日(日)第三日目 晴れ後雨

リキシャーおやじは「乗れ!」としつこく後を付いてくるが無視。
向こうから声を掛けてくる場合は要注意。ぼったくられます。
普通「NO!」と言えばあきらめるのだが、こいつはしつこかった。
雨で人通りがほとんど無いので必死なのだろう。



「どこまで行くんだ?」と聞くので「すぐそこまでだ」と答える。

すると「2時間チャーターして市内を観光しないか?20ルピー(日本円で70円くらい)でいいぞ。」と。きたきたきた・・・こういう場合は絶対に観光といいながら土産物屋に連れて行かれるのだ。
しかし自分も今日はもう予定もなかったので暇つぶし感覚で。
「20ルピー?それは安い。でも俺はホテルまで帰れればいい。観光はいいから、2時間ぐるっと市内をまわってホテルまでってのはどうだ?」
「OK! OK!さぁ!乗れ!」満面の笑みを見せるおやじ。
「いっとくけど、土産物屋は絶対入らないからな。」意地悪で言ってみる。
顔が曇るおやじ。
「折角だから土産物屋も行こうぜ!見るだけでいいからさ。」
「じゃ。乗らない。」歩き始める私。
「頼むよ!俺は客を店に連れて行くだけで店から5ルピーもらえるんだ。4件付きあってもらえれば20ルピーになる。それとお前から20ルピーもらえれば、家族に飯を食わせられる。俺の家族を助けると思って・・・」
インドでは家族をネタに仕事を取るのが流行っているらしい。
ま。予定もないし・・・これからインド詐欺アドベンチャーを経験してみるか。って気持ちで「とにかく2時間後にはホテルに送り届ける事。立ち寄る土産物屋は4件まで。そしてホテル前で20ルピーは払う」と確認してリキシャーに乗り込む。
大はしゃぎのおやじ。
雨の中リキシャーおやじは猛スピードで市内を滑走する。
途中、屋台でバナナを買って来るおやじ。
それを私に渡し、「食え!おれは良い奴なんだ。お前も良い奴だ。そして俺たちは友達だ」と。
そしてまたしばらく行くとチャイを2つ買って来て、一つを私に渡すおやじ。
「飲め!おれは良い奴なんだ。お前も良い奴だ。そして俺たちは友達だ」と。

うさんくせー!!!20ルピーでここまでサービス出来るはずないだろ。さて。これからどうなることやら・・・

土産物屋1件目。
早足でぐるっと一週してリキシャーに乗り込む私。
おどろくおやじ。
「おい。おい。それはないだろ!もっとじっくり見てくれよ。」
「分かってる分かってる。今のは冗談だ。次の店ではゆっくり歩くからさ。」
ちょっとからかってみた。
再び別の場所へ滑走するリキシャー。




土産物屋2件目。
今回はじっくり歩く。
店員が話しかけてくるが無視。買う気無いから。
再び別の場所へ滑走するリキシャー。
あからさまに不機嫌そうな顔をするリキシャーおやじ。
「おい!もっと何か買うそぶりしてくれよ!」
「おい。おい。めんどくせーなー。立ち寄るだけでいいって言ったじゃないか。」
「・・・・・」
このあたりから本性を徐々に顕しはじめるおやじ。目つきが変わってきた。
「次はまじで頼むぜ。」みたいな殺気。

土産物屋3件目。
キターーーーー!!!って感じの店構え。
今までの2件も「普通の観光客はこんなとこ来ないだろ。」って店だったけど今回は一気にグレードアップ。
人通りが全くない。そして店は地下。置いているのは貴金属と絨毯のみ。
入るなり5人くらいに囲まれる。客は自分のみ。
「買うのか!買わないのか!」みたいな押し売り。
いざこざいざこざ・・・・
結局店員達とつかみ合いに。そして互いに恫喝。
ボスらしき男が奥から出てきて「もういいから帰れ」みたいなゼスチャー。
店員とののしりあいながら店を出る。これは雰囲気的に結構危なかった。良い子は真似しちゃダメだよ。





超不機嫌にリキシャに乗り込み私。そして無言でリキシャーを漕ぐおやじ。こちらも超不機嫌。
当然ながら三軒目でもマージンをもらえなかったのであろう。

しばらく後「後、一件回ってこの旅は終わりだ。」おもむろにリキシャーおやじは言った。
「なに???!!!ホテルまで送り届けて終わりって約束しただろ!!」
「はぁ?」という顔をして振り返るリキシャーおやじ。この時のオヤジの憎たらしい顔、未だに目に焼き付いてるわ〜
道端で大喧嘩。この時ばかりはもう英語で話す余裕なかったですね。博多弁で滅茶苦茶にまくし立てました。
結局1ルピーも払わずにリキシャーを降りて歩き始める私。
50mくらい離れてついてくるリキシャーおやじ。
目が合うと満面の笑みで「乗れ!」と。
「じゃ。ホテルまで送り届けて20ルピーな。」と叫ぶ。
再び悪人顔になって「NO!」と叫ぶリキシャーおやじ。
このやり取りが数回。あきらめて去っていくリキシャーおやじ。




しばらく歩いた後やっと別のオートリキシャーが通りかかったのでビーチ経由でホテルまで。
50ルピーなり。かなり遠くまで連れて来られちゃってたんやなぁ。。。。
しかしあのリキシャオヤジもこの距離走ったって事はもし自分が押しに負けて何か買ってたらマージンは1〜2割ってところか。
私もそんなカモに見えたんだろうな。


(つづく)




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インドの山奥で修行してきた話-9 【見知らぬインド人との酒盛り】

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