我が心の jazz bar

前話: 新説 白雪姫
次話: 哀愁のデスラー総統

福岡にいた頃、自分は毎週土曜日は、とある中洲の jazz barに入り浸っていた。
ほぼいつも開店から閉店まで。一人で。
いつも一晩でレモンハート151を一瓶空けてしまうのでマスターが必ず私のために新規ボトルを用意してくれていた程だからまぁ常連と言えるレベルだっただろう。

ドアを開け、「やあ」ってな感じで馴れ馴れしくカウンター席に腰掛けながら「151Wロック」を注文。アルコール度75%のとってもハードなお酒。塩付野菜スティック+レーズンバターをつまみにガブガブ飲む。店員や奏者の人達とも顔なじみ。ジャズの事に関わらず色んな事を会話しながらガブガブ飲む。


というのが当時のパターン。

それから後、私は宮崎に移住し、福岡出張の際約2年ぶりにこの店を訪れた。
久しぶりに行ったら店員も奏者も知らない人ばっかり。
唯一オーナーだけが暖かく迎えてくれた。
最初オーナーと話し込んでいたが、自分が野菜スティックを注文すると姿を消した。

ひとりぼっち・・・・

どうやら(経費削減の為か)今はオーナー自らつまみを作っているようだ。
奥の方からシュッ、シュッ、っと野菜の皮を剥く音が聞こえている。

「も、もうしわけない・・・」
って気分でいっぱいでした。

約10分後、オーナーが野菜スティック片手に戻ってきた。
「すいません・・・めんどくさいの頼んじゃって・・・」
「いえいえいえ・・・」

って会話も束の間。
客が増えてきて、料理のオーダーが次々に入り始めた。

またオーナーは厨房にそそくさと入っていった。
というかそれ以来厨房にこもりっきりになってしまった。

そして、この頃には既にカウンター席はジャズミュージシャンのたまり場状態。
みんな楽譜片手に「ここの入り方はどうだ」とか「ここでんってなって」とか、かなりマニアックなはなし。こんなのが私のまわりで繰り広げられている。




「居心地わる~~~~~」
カウンターど真ん中に座ってしまった自分のミスを嘆いた。
(自分の楽器経験は縦笛とハーモニカのみ。しかも小学校の音楽。あとカスタネット少々)

というわけでひたすら一人で酒を飲み続けた。
つまみがなくなった。
レーズンバターを頼んだ。
レーズンバターを切らしているという回答により断念。
チーズクラッカーに変更。
はじめて注文するがそれだったら簡単だろうという配慮で。
少しだけ値段が高いのが気になったが・・・・

しばらくしてチーズクラッカー様到着。
イヤな予感的中。
チーズクラッカー様、なんかパーティ仕様。
皿がめちゃくちゃでかい。
外国映画の社交パーティに出してもおかしくない装い。



どー考えても3~4人で食べるプレート。
で、それ食べる人。
ジャズミュージシャンに囲まれた、哀れな一般中年。
カウンター席に主役登場って感じ。
それ、一人占め。
そしてバックではムーディーなジャズ演奏が繰り広げられていた。



もう、早く立ち去りたくて、ムーディーな空気の中、バリバリむさぼったね。




一気に食べ終わって「ふー」と一息。
水を一気にゴクゴク飲んで、帰りました。




まぁ、なんつーか私の周辺だけ吉野家のカンターみたいな空気になってた訳で・・・



続きのストーリーはこちら!

哀愁のデスラー総統

著者の岩野 亨さんにメッセージを送る

メッセージを送る

著者の方だけが読めます

みんなの読んで良かった!

STORYS.JPは、人生のヒントが得られる ライフストーリー共有プラットホームです。