一本の映画を撮るように、人生をプロデュースする話。(第1章:上京と音楽 編)
・・・ん?
何を始めたいかって?
そりゃ、若者と言えば、
”音楽”でしょ!
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話は高校時代に少し遡るが、
当時はマジで”音楽”に救われていた。
悪友のFがカラオケ屋でバイトしてたので、
放課後、ほぼ毎日入り浸り。
どこにもぶつけようがない、
若い大きな葛藤のエネルギーはそこでしか発散出来なかった。
1990年代後半のことだ。
日本でも”HIP HOP”が流行ってきていた。
だからって言うわけじゃないが、
”RAP”をやりたくてしょうがなかった。
ただ単に流行ってると言う理由じゃない。
HIP HOPという文化が放つ強いメッセージが、
落ちこぼれの自分を奮い立たせる起爆剤みたいなモンになっていたからだ。
権力や体制にだって、
自分の正義や想いを主張する。
それは時として、大きな抗争につながりかねない。
だが、
言いたいことも言えず、
腐ってるよりは100倍マシだ。
世の中、”矛盾だらけ”と思っていたオレは、
その真っ直ぐなlyric(リリック:歌詞)に、心を突き動かされていた。
また、
アメリカの黒人文化の通じて、
逆に、日本人の価値観の繊細さや日本語の奥深さも感じるようにもなった。
HIP HOPというジャンルからは逸れるが、
ミクスチャーバンドの”山嵐”もヤバかった。
日本語の歌なんてダセェって言ってる自分がダサかったと気付かされた。
餓鬼RANGERのUPPER JAMというアルバムは、
ちょうど上京する飛行機に乗る前に購入したのを覚えている。
”火ノ粉ヲ散ラス昇龍”という曲を聞くと、
上京初日の気持ちに、いつでもPlay Back出来る。
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少しでも音楽のそばにいたくて、
選んだバイトは、やっぱりカラオケ屋。
東京の高円寺にある店だった。
地下にあり、昼間でも真っ暗。
CLUBみたいな感じで、ブラックライトが超クール。
店長はじめ、スタッフの自由な感じがたまらなくカッコよかった。
ここでは心の底から仲間と呼べる友人・先輩・後輩が何人も出来た。
そうそう、
”妻”もここの元スタッフだ。
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「この曲、何ですかぁ?」
「餓鬼レンジャーだよ。」
妻との最初の会話はコレだった。
そのカラオケ屋では、
カウンターにいるスタッフがカクテルを作ったり、
自分の好きな曲を店内に流していいルールだった。
妻は、客から尋ねられたらしく、
カウンターで酒を作ってるオレの元へ
かかっている曲を聞きに来た。
ちなみに、オレは妻より一コ年上なので、
最初は”犬さん”と呼ばれていた。【オレの苗字は犬走(イヌバシリ)なので】
次に、”犬ちゃん(イヌちゃん)”。
少し、カワイくしやがった。
次は、”ワンワン”。
カワイイどころじゃない。完全にナメてやがる。
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