一本の映画を撮るように、人生をプロデュースする話。(第1章:上京と音楽 編)
付き合いはじめて、両親と会うようになってからは、
”智君(ともくん)。”
たぶん、気づいたんだろう・・。
オレの両親も”ワンワン”だし、もし結婚したら自分もステキなことに”ワンワン”になってしまうことを。
そして、今は、”パパ”。
コレ以下の呼び方にならないよう、頑張るしかないな。
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”人生は映画みたいなモンだ”。
そう、強く思い始めたのはこの頃からだ。
RAPをやりたいと思い、
少しでも音楽の側の環境を探し、カラオケ屋でバイトを始めた。
待ってるだけじゃ何も始まらない。
自分でリリックを書き綴り、
適当なトラック(曲)に乗せ、そして発信。
その作業は、まるで”昇華”。
反社会的だったり、満たすことが出来ない要求を、
別の、社会的に認められている価値あるにモノに変えて表現しているようなものだった。
「一緒に、やんねーか?」
本気で願い、それを叶えるための努力をしている奴には、
映画みたいなチャンスが自然と転がり込んで来るもんだ。
同じ周波数を放つ人達から誘いの言葉をもらった。
2MC+1DJのチームを結成。
FIRSTステージの日も決められている。
速攻で、持ち歌2曲を完成させ、
オレのバイト先のカラオケ屋の、
一番でっかいPARTY ROOMを貸し切って、練習しまくった。
7
初ステージは下北のCLUB。
大学の友人、一緒に上京した友人、バイト先の友人、サークルの友人などが集まってくれた。
CLUBならではの大爆音。
MCたちが客を煽(あお)る。
観客は満員。
ショーケースが始まった。
いよいよオレたちの番。
暗闇の中、光の演出。
”一瞬が永遠のような、永遠が一瞬のような感じだった”。
1曲目から、喉カラッカラで、
腹もツリそうでヤバかった。
客のVibes(バイブス)に負けないようにするだけで精一杯だった。
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初ステージは、大成功だった。
メンバーと固く抱き合い、
次のステージへの挑戦を誓った。
・・・ただ数日後、
MCのメンバーを一人増やすことにした。
3MC+1DJのスタイル。
相方の一つ上のイカツイ先輩も、
1曲目の喉カラカラ感と、腹ツリそう感がヤバかったみたいだ。
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その後も、新宿・渋谷・六本木などでステージを重ねた。
特に新宿のCLUBではイベントをオーガナイズ。
気の合うクルーと時間を共有する楽しさは、かけがえのないものだった。
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「OkasurferZを結成するナリ!」
同じクルーの先輩から電話でいきなり宣言された。
「え? オカサーファーゼット? 何すかソレ?」
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