すれ違った大家さん

1 / 2 ページ

長くなってしまいましたが、

引っ越しの話です。


かれこれ数年前、

元カノと同棲を解消した僕は、


改めて三軒茶屋にて

一人暮らしをする事になりました。


久しぶりの一人暮らし、

一人でやっていけるかという不安もありつつ


越してきた僕を温かく

迎えてくれたのは、

隣に住む大家さんでした。


はじめてご挨拶させて

いただいた時、

顔を合わせるなり


「まあ、隣にきてくれた子が

野月さんで本当に良かったわ、

何かあったら、私に何でも言ってね」と、


前の住人が心無い若者で苦労したとの事、他にどんな住人が居るのかという事、


近所はどういう店があるかなど

詳しく教えてくれたその女性は、


丁度、親と同じくらいの年齢で、

他界した旦那さんの形見だという入り口にある

柿の木と愛犬と暮らす、


どこか素敵で可愛らしい

雰囲気を持った方でした。


その後も道ですれ違う度、

「あら野月さん、もうここでの生活にもなれましたか?

お元気ですか?」

などの暖かい言葉をかけて下さいました。


約半年が過ぎ、彼女が出来、

良く家に遊びに来るようになりました。


そして月日が過ぎ、

その家で初めて迎えた正月、

お土産をもって大家さんの

住む隣の家へ

新年のご挨拶に行きました。


 『そうだ!バルコニーでバジルや香草を育てて、

出来たら料理を作って大家さんに差し入れしよう!


 先ずは栽培してもいいか相談しよう!(うちのバルコニーと大家の玄関がそのままつながっている為)


 大家さん普段はあまり料理しないって言ってたから

喜んでくれるかなぁ!


 水やりするたびにワンちゃんとも仲良くなれたらうれしいな♪』


そんなワクワクする思いを胸に、、


 インターフォンをならし、

扉を少しだけ開けた大家さん


 「何ですか!?」の一言からは、

つめたい表情が伝わってきました。


あれ、、どうしたんだろう!! 

いつもの大家さんならいつもの明るく温かい表情で


「あら、野月さんこんにちは、

今日はどうなさったの?」と優しく話を聞いてくれる筈、、


戸惑いと驚きを隠せない僕は、

そのまま震える声で言いました。


僕「あの、、新年のご挨拶にと思ってつまらないものですが

お土産を持ってきたのですが、、」


大家さん「あぁ、、はい! わかりました、、」


僕「お、、元気ですか、、?」


大家さん

「はい、まぁ、、最近彼女さんがよくいらっしゃってますか?」


僕「そうなんですよ、よく遊び来てくれて!なにかご迷惑をお掛けしてますでしょうか?」


大家さん「そうですね、

よく遅くまで女性の話声がきこえてきますので、

女性の声は響きやすいので深夜はもう少し話し声を配慮していだけると」


僕「す、、すみません、

ご迷惑をお掛けして、

気を付けますので宜しくお願いします、、」


そのまま逃げる様に帰りました。


正直ショックな

思いがいっぱいでした、

勿論迷惑をおかけしてるのは

こちらですが、


まるで別人の様に冷めきった感じで言わなくても、、

そういう仲ではないと一方的に思い込んで居ただけだったのか!


怒りながらも

「もう野月さんたら、

近所迷惑も考えながらきちんと生活して下さいね!」

なんて心ある言葉で言ってくれても良かったんでは?と、、


何ともやりきれない

気持ちだけが先行し、

その後大家さんと

すれ違っても

お互い軽く会釈する程度で、

けして前の様に立ち止まり、


著者のMitsugu Nozukiさんにメッセージを送る

メッセージを送る

著者の方だけが読めます

みんなの読んで良かった!

STORYS.JPは、人生のヒントが得られる ライフストーリー共有プラットホームです。