すれ違った大家さん

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笑いながら話す事は

もうなくなりました。


元々外に洗濯物を

干すことが無いので、

それ以来、大家さんの玄関に繋がっているベランダへの窓をあける事もなくなりました。


そして更に月日がたった

1か月前の事、


それは、突然に訪れました。


ピーンポーン、仕事終わり、

仮眠をとっていた中、

突然鳴り響くインターフォン


「〇〇不動産のものですが、

ちょっとお話し宜しいでしゃろぉか?」


モニターを覗くと、関西弁全開のチンピラ風の男


「この度、この土地は、

私共〇〇不動産の所有物になりましたので、

立ち退きの御相談を!!」


僕「はい!!?

何も聞いて無いですが?

立ち退かなければならなんですか?」


「はい、残念ですが、

隣の土地も含めて所有権を得ましたので、全て取り壊して新たな施設をつくることになりましてん!!」


眠気眼のボーっとした状態の中、

ズカヅカ入ってくるの

その不動産屋に

「退去するなら早くした方がお得ですよ」など


上手く言いくるめられ、

その場で交わした立ち退き

承諾のサイン!!


こうして、

やむなく決まった引っ越し、

不動産屋さんを回る毎日!!


家の物件は、

大家さんの行為により、

相場より安いため、

同じ条件で探すとどうしても家賃が高くなるか、狭くなるか、、

部屋が上手く見つからない苛立ち、、


八百屋に、

創業100年の蕎麦屋、銭湯、

ビームスの人がやっているというおしゃれ居酒屋にイタリアン、バー、

パクチー料理、ライブハウスと


昔ながらの風景と現代の洒落た

お店が混合している家の近くの大好きだった商店街ももう毎日通る事も無くなる!


大好きな場所を突然奪われたかなしみ!!


正直苛立ちの残る中、

なんとか引っ越した今、、。


鳴り出した携帯電話 

知らない番号からの着信


宅配か引っ越し屋さんだろうなぁ!と思って出た電話


僕「はい、もしもし!!」


「あのぉ、、

野月さんの携帯で間違いないでしょうか、、?」


どこか聞き覚えのある懐かしい声


「あのぉ、〇〇の大家の●●ですが。。」


それは、最近まで住んでいた

取り壊しが決まった先のあの大家さんでした! 

正直連絡などくると思っていませんでした!


引っ越しでたまったストレスと、

どこか裏切られた気持ち、優しそうな人だったのに所詮お金で言いくるめられて売ってしまったに違いない!


そもそもあの正月の一件依頼、

険悪な仲なのだからなにか

手続きの業務的な話だろう!


そう思った僕は、

冷たい口調で言いました。


僕「何の用でしょうか?」


大家さん

「もしかして野月さん

もう引っ越されてしまったのですか!?」


「はい、そういうお話でしたので」


大家さん

「わぁ、、どうしよう、、

野月さんが隣にいてくれたから、

安心して今迄暮らしてこれたのに、寂しい、、

ほんとうにどうしよう、、」


思いがけない言葉に

なにも返せない自分がいました。


大家さん

「本当にごめんなさい、、

私の意向では全くなくて、

地主の人が大阪の不動産業者のひとと連携していきなり土地を売ったと言いだして、、

本当になんてあやまればいいか、、野月さんちの明かりが消えてて、、もしかしてと思いまして、、、」


     「本当に寂しい、、どうしよう、、」


今迄の自分の感情が本当に情けなく、どんなに傲慢なものだったかぁ、、、

もっとちゃんと大家さんと向き合えば良かった!


料理作って遊びにいけばよかった、ワンちゃんと遊べばよかった、、


あの日以来ずっと険悪だとしか

おもってなかった、

隣にいてくれて嬉しいと思っていてくれてたなんて、、!!


  今回の引っ越しで、

ひととひとは、

些細なことですれ違ってしまい、

憎しみを生んでしまう、

如何にきちんと面と面を向けて

話し、


気持ちを伝える事がどんなに大切なことなのかを

痛感しました。


   それぞれの道が真っ直ぐで順調に進むように。


                                      


笑w きどった長ったらしい物語り調のくだらない文章を読んでいただきた誠にありがとございました。

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