エスパニョール選手寮生活記1/夢の形は変化していい-未来のサッカー選手候補と暮らして感じた、真剣に生きるからこそ得られること
サッカーライターの僕は偶然、スペインのプロサッカークラブ「エスパニョール」の下部組織選手寮に住むことになった。未来のスタープレイヤーたちとの共同生活。彼らの日常を通してわかったこと。
それは、夢を追いかけたからこそ、逃げられない現実に直面すること。そしてそれを乗り越えた先に、違う形の夢が待っているということ。
◆サッカーライターだったら…
2004年、僕は高校時代からの夢だったフリーのサッカーライターとして、ヨーロッパへ飛び立った。
ヨーロッパ選手権ポルトガルでは、スリに遭ったイングランドサポーターが犯人を追いかけ刺殺された翌日に、カメラを盗まれて泣く泣く諦めた。
コパ・アメリカペルー大会では、ウィルス性の病気になって1週間寝込み、現地の見知らぬ家族と過ごして家族の温かみを知った。
アテネオリンピックでは、深夜2時に街中で追いかけられて、なんとか無事に逃げ延びた。
そんな世界を回っての取材は、とても貴重な体験となった。そして僕は、その後バルセロナに住んで、ライティング活動を続けることにした。
バルセロナに行ったこともない、スペイン語を勉強したわけでもない。バルセロナに来たのも、“中学校の頃に買ったサッカーフラッグがFCバルセロナのやつだったから”という理由からだ。現地にツテもあるはずがない。
そんな僕に、ライター相棒の友人からメールが来た。そこにはバルセロナ現地の会社が、人を募集している。そんなことが書いてあった。
さっそく会いに行くと、代表の人が私に言った
「ライターやったらエスパニョールの選手寮に住んでみたらおもしろいんちゃう」
そんな流れで僕は、偶然エスパニョールの選手寮に住むことになった。
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