同級生

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相方と映画を見たその帰途。

駅のホームにたどり着くとどことなく見覚えのある風貌の人物がいた。

高校の同級生。

ただハッキリ断定はできなかった。

もうあれから30年近く経っている。

面影はあっても風貌はそれなりに変わっている。


一瞬目が合ったような気もした。

だが、そこからアクションを起こすことはしなかった。

四半世紀を越えるような長い月日の間に同窓会で一度ぐらいは顔を合わせたような気もするが、それすら記憶があやふやだ。

目が合ったのはただの錯覚かもしれないし、ましてや人違いは避けたい。



同級生と思わしきその人物は同じ車両に乗り込んだ。

一人で乗ったはずなのに誰かと話している様子。

そして名字を呼び捨てにされている。

その名字は私が思い描いた同級生のものだった。


それにしても呼び捨てにしている声がやけに甲高い。

女性の声でもない。

子供の声だった。

それも一人ではなかった。

何人もの子供に話しかけられている。

みんなの読んで良かった!