【近大ノマド】会社を辞めた僕が大学でノマド生活を始めた起業の記録

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すでに夜の9時を回っていたが、翌日だと痛んでしまう。
とりあえず、僕はありがたく鯛のアラをいただくことにした。

鍋に水を張り、ガスコンロに火をかける。
具材は鯛のアラ。
それと飾りで付いていた千切り大根。
魚の血で汚れていない部分は全て鍋に入れた。

醤油で簡単に味を整え、鯛のアラ汁の完成。

一口すすると出汁の効いたスープが身にしみた。

アラ汁を食べているとき、大家がやってきた。
地鎮祭があり、供え物に鯛が出たそうだ。
身は出席者が食べたらしいが、アラはどうせ捨てられるので持って帰ってくれたらしい。

鯛は『目が出る』って縁起物なんやで

大家がいつものように、脈絡もなく言った。
そして、去って行った。

僕はこの瞬間、自分の力で生きているのではなく、誰かに生かされていることを悟る。

自分が成功することで喜ぶ人がいるはず!

僕は起業してから、周りとの縁を切っていた。
大学時代の友人とも疎遠になっていたし、会社員時代の人間とも会う気がしなかった。

人生の底辺であがいている、みすぼらしい自分の姿を見せるのは気が引けたからだ。
数ヶ月も働いているのに、食べることすらままならない状態。

「やっぱり起業なんてしなかったらよかったのに」

という哀れみの眼差しを浴びるのが怖かった。

夢半ばでくたばってしまっても、誰も気にも留めないだろう。
そもそも誰も僕という存在を知らないのだから。

けれど、僕はなんとか成功したいと思った。
僕の成功を喜んでくれる、まだ見ぬ人たちのために

壁にぶち当たっては突き抜ける

どんなに苦しくても、
どんなに現実から逃げ出したくても、

僕に残された道は、前に進むことだけだった。

自分には叶えたい夢がある。
だから起業した。

なのに、こんなところでくたばってたまるか!!!

少しずつ成果が出てくると、僕は取り憑かれたように働いた。
仕事のスピードが上がると、壁にぶち当たるペースも速くなっていく。

ハードル走のように5メートル感覚でガラスの壁があって、傷だらけになりながら壁を打ち破っていくイメージ。
壁をぶち破ってはぶつかって。

いくつ壁を突破すればゴールにたどり着くのだろうか?
身体はすでにボロボロなのに、手は休まず動き続けている。

ゴールへ向かって自然に引っ張り上げられていく感覚だった。

日付が変わった瞬間に

季節は冬に差しかかろうとしていた。
大学キャンパスで作業をしていると、身体が冷えてきて手先の感覚が鈍くなる。
室内でもダウンジャケットを着用するようになっていた。

明け方と夜は、特に冷え込んだ。
寒さで作業に集中できないので、アパートのリビングに置いてあるコタツで作業するようになる。

ある夜のことだった。
いつものようにコタツで夜の作業を終わらせる。
月末の収益をチェックしてみた。

「もう少しなんだけどな」

来月もこの調子で頑張れば目標金額に届くかもしれない。
そう思っていたら、時刻が深夜12時を周り、翌月になった。

ふと報酬画面を更新してみると、目を疑うことが起こる。
一瞬、何が起こったのか理解できなかった。

数字を何回計算し直してみたが間違いない。

売上が目標に達していたのだ。

僕にとって歴史的瞬間だった。
誰かに伝えたくて、隣の部屋にいた大家にパソコンの画面を見せた。

すごい!

と大家はひとこと言った。
大家はパソコンをほとんど使わないので、僕のしていることを理解しているとは思わない。

けれど、僕が大家の部屋から出ていったあとに、

勇介がな、パソコンで稼げるようになったんやって!

と、大家の友人との電話ではなしているのが聞こえた。

理想の生活は叶うもの

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