沈みゆくなかで(4)


〝わたしの願いは

なんだったろう

本当は、どうしたいのだろう

自分の、自分だけの、願い

周りに目を向けず

自分だけに問いかけたら

本当は、どうしたいんだろう、、〟


こんな問いかけを、
した事がなかった、私


夫と彼が対峙した、その日の夜

私は夫に、数時間携帯を奪われ
全てを夫の思うままに覗かれ
彼とのやり取りは
すべて夫の携帯に転送され

返ってきた携帯から

彼の残骸をすべて消すように
写真、
メッセージ、
連絡先

目の前で、

削除、のボタンを押すところを確認させて

すべて、何も残らない

本当にすっからかん

ぺしゃんこに、潰された



まぁ、もういいのだ

わたしはこの人の妻として

この家の主婦として、母として

生きるのだから


彼との楽しかった残骸など

あれば、辛いだけだ


すべて消し去り

虚しさから目を逸らす為に

夫と、やり直すことだけに
神経をつかった

それまで、嫌々触らせていた
温度のなかったSE  Xも

毎日しなければならないのだから

いっその事、楽しい方がいい

どうせなら、快感を得られるまで
極められたらいい

そう、思っていた


実際その日から
しなければならず、

嫌だと思う気持ちを殺して

わたしはS  EXが大好きなんだと

気持ちを無理やりでも切りかえて
のぞんだ。

愛してるよと、言われても

当初は、うん、と答えることも出来ず

ましてや、自分も言うなんて無理でしかなく


今まで散々、家政婦扱いしていながら

急に手のひら返したように

愛してるよ、なんて

どの神経使ったら言えるのかと。

とても冷めた気持ちのまま

体だけは張り切って

以前買っていた、ラブグッズを

(これも、彼の存在がバレる2週間ほど前に
何故か私の持ち物を漁った夫にバレていた)

ここぞと、ばかりに持ち出して

使ってみようと、

不感症だから、を乗り越えて


快感を、掴みにいきたかった。



相変わらず、触られても気持ち悪く

快感など、程遠い、私のからだ



もう、失ってしまった彼を

こんな時に思い出してみたら

どうだろう、、と、


蛇口を捻って緩めるように

すこし、


捻って、


彼を呼び起こしてみたら



いきなり、体に

感度のスイッチが入り


その反応に

何より私がいちばん、驚いた。



あれだけ、夢想を重ねたからなのか、、

彼をイメージの中で呼び起こすだけで

体中すべてが、生き生きと

細胞が蠢いているようだ


私を抱いてるのは、夫だ

でも、本当に抱いてるのは、彼だ


はっきりと、それがわかり

涙が溢れて止まらなくなる



これは、まずい

やってはいけないことだ!と

どちらに対しても、いけない事をしたような

とても複雑な気持ちになり



でも、目の前で、わたしを触っているのが

彼だったらなぁ、、



ふとした隙にすぐ緩む

蛇口を必死でしめても


溢れてくる想いが

彼を想った日々が

止めようもなく溢れてきて


そんな私に

諦めるのはつらいよな

失恋の痛みはすぐには消えない

頑張って、忘れろ

それか、そいつを想えば
情熱的な熱いSE  Xが出来るなら

思い浮かべていいから

もっと気持ちよさそうにしろ、と


どちらにしても苦しい

どうしていいのかわからないまま


愛を再建するという

日々が、はじまった


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