愛って、なに(1)


夢のような

浮き足立った、愛の日々は

再建も虚しく


跡形も、なかった


突然元に戻った夫の言い分は、


その、

どうせやるんだから、という


愛のない姿に、プライドが傷付いた

俺は真剣な愛情表現だったのに

愛でしかないのに

鬱陶しそうにあしらうような

その、態度に、傷付いた



平気で俺を傷つけた

お前が、許せない



どうせ、鬱陶しそうにされるなら


スキンシップや会話なんて
しても、しなくても
同じ事なんだ

俺の愛情表現であるSE   Xを

どうせ、

なんて言われて

冷たい目で鬱陶しそうにされる

俺の気持ちはお前にわからないだろう、と



散々、連呼されてきた


愛 と呼んでいる、もの


ふと疑問がわく



ねぇ、愛って、なによ





相手の気持ちを思うことなく

一方的に押し付ける愛情表現を

愛 と呼ぶのは

返ってこない、と拗ねて
 
ただ、毎日体を貫けば
俺のものだ、と安心できる、その気持ちは

愛 とは、違うんじゃないの?



どう話したところで

この会話が交わる接点はなく

お互いに、被害者だ!と

自分を正当化し、相手を批判し

時はどんどん過ぎていく


わたしは
ここに至るまでの日々
日常のあらゆるところで
軽視され大事にされていない怒りを溜めていて

夫は
SE   Xを拒否するイコール
自分を否定されていると
夫婦の義務を果たしていない、と怒りを溜め


交わることなど、ありえない
ましてや、会話すること
これらを話し合うことを極端に嫌がり


解決する気など、そもそも、ない

夫婦に、愛の再建など

出来る筈もない



目を向けなければならないのは

相手ではなく、自分だ、と

この時、全く露ほども思わない、わたし

  

手に職を付けたいから
栄養大学に行って管理栄養士の資格をとりたい

そう思っていたけれど

実際、この生活の中で

私が現役大学生になるには
しかも、専門色の強い大学に通うには

私の代わりの主婦が必要で


あまりにも、難しい
ハードルが高すぎるから

民間の、食に関する資格を

次々、取りまくって

なにか、仕事につなげよう

夫もそれには同意していて

かかる費用のすべては
文句も言わず、払ってくれた


夫との、SE   Xが、
喧嘩のおかげで毎日ではなくなり

快感を掴みに行くという
毎日のハードさの無理も祟り、
とにかく体を、触られずに、
休められる事は好都合だった


涼しくなるころ、夫はすっかり

昨年までの、元の姿に戻っており

帰ってきて食事すると、
倒れるようにすぐリビングで寝てしまい

会話の時間もままならない


基本的に虚無感の中にあり

昂揚することも無いかわりに
愚痴や文句、ため息が増える

変なタイミングで起きてきて
私が寝る頃、SE   Xしたがるのを

断ると機嫌を損ね、拗ねてむくれて
機嫌をとるのに明け方まで要する

最後は、口で
長時間、ご奉仕してあげることが愛だと

唯一、機嫌を直してくれるツールであり

それで、機嫌直るなら

私も、その方が好都合で

たんたんと、処理に付き合う

それまでと変わらない

いつも通りの秋だった。


夢のような家庭は、もう、なかった。




あの。愛の再建の喧騒の中
 
彼を思い出すと、
変なスイッチが入るから、と

約3ヵ月ほど、だろうか

彼を思い出すことを、封印していた。

思い出したところで、会えないのだし

好きで居ても仕方ない人なのだから

遠ざかれる所まで遠ざかり
忘れられるまで、閉じ込めるしかないと
思っていた




ある日、理由は忘れたけれど

家族が全員、留守の日があった

夫は、出張

子供たちは、実家に預けたのか
旅行に連れて行ってもらってたのか

とにかく、わたしはひとり

がらんとした家の中で

誰にも話しかけられず

黙ってご飯を食べられること

それを、この上なく、幸せだと感じ


あれ、わたしはそんなに

家族と居ることが、落ち着かなかったのか

お風呂も、1人でゆっくり入り

寝ようと、支度をしている時


気が緩んだのか

突然、ぶわっと

彼を思い出し

それは、ハクション大魔王が
魔法の瓶?から出てくるような


押さえつけていた蓋が、開いたみたいに


はっきり、くっきりした
イメージと共に

私を包むように、現れた



そのイメージが、

目には見えないのにあまりにも鮮明に

彼だ、とわかる事も不思議で


まるで、抱きしめられるように

私を覆うように、現れたので


包まれることに、委ねた



、、、

会いたい、、、

ものすごく、会いたい

声が聞きたい
顔を見たい

会いたい、、、!!!



会えなくなって、はじめて

泣いた夜だった

そのまま、裸で布団に転がり

自分の体を

彼がしてくれるかのように

はじめて、イメージとピッタリ合わせて

気持ちよくなる為に、触ってみた



驚く程に、濡れ

こんなに、何が出てきたのかと

怪訝に思うほど、溢れ

泣きながら、触り、快感を掴みに行く


この時私は

性エネルギーの交流、というものを
まったく知らず

知らないまま、勝手にそれをつかい

イク、のような快感を

はじめて、自分で、掴んだのだった



こんな、不毛にも思える

愛についての、混乱

愛し合うって何よ、という思いと


消しても消しても

いつでも求めたら、そこにある

見えない、触れない

会うことも出来ない、彼の、気配


そんなものの中でごちゃ混ぜに
絡まりながら

冬へ、年末へと、向かっていた



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