生きるために、手放す(1)

2017年1月

新しく、仕事を始めた

年末にたまたま見つけた

一年前に登録してあった
派遣会社からのお仕事紹介メール

なかなか条件に合う仕事はなく
都内まで網羅していたそのメールに
目を通すこともなくなっていたのに

年末、掃除の合間の休憩中に
たまたま目にしたものが

家から車で20分の距離
勤務時間が短く
朝ゆっくりで帰りも早い
内容も、簡単な事務作業
しかも平日週4日で良い

と、願ってもない好条件の仕事が
偶然、たまたま目を通したメールに
記載されていて

即、エントリーし
即、連絡があり

今日で仕事納めなので
年明けに改めて、派遣先の職場を
紹介します、というところまでこぎつけ
年明けを迎えていた

新しく仕事が始められる

それが自分の将来とどう繋がるか、
そんな事よりも

とりあえず、自分のお金が入ること
日中、外に出る事で
私の気が紛れる

元旦の、叫びの数日前に用意された
新しく生きることを
応援してくれるかのような、
新しい流れ


ここから、この生き方から
離れたい
わたしは私の人生を
自分の足で、生きたい

そう、本気で願ったものの
先の見通しはまったく立たず

あまりにも山積みな、現実面での問題の数々

まず、資金がない
わたしと、子どもふたり
暮らせる環境を手に入れるために
働かなければ

そこはどうにか、動き始めた


お正月休みをぎりぎりまで実家で過ごし

今まで隠してた、我が家の本当の現状を
実家にいる間、母と妹に話し
こんなことになっていたけど、
もう、離婚すると決めたこと
すぐに動きたくても
子供の転校の問題もあるし
タイミングは、考慮するけど
もう、この結婚は終わったこと

自分の口から
言葉にして発することで
どんどん決意も固まっていく

自分一人の事じゃないから
色々、考えて動く。

の中には、彼の問題も大いに含まれていた

私が元旦から、それまでと違う人になり
別れたいと思ってるんだな、と
誰の目にも明らかになってから
当然、夫は穏やかではなく
あの手この手で私の行く手をふさぐよう

脅す発言が増える

その中でいちばん槍玉に上がるのは

問題点の中心に、彼を置き

あいつのせいで、お前は変わった
あいつがいるから、別れたいのか
あいつに、責任とらせないといけなくなる
やっぱりあいつは生かしておけない
俺はもう、お前に捨てられるなら
死んだも同然だから

俺が死ぬ前に、あいつを殺す

わたしがS   EXを断るたびに
触られるのを避けるたびに

恨みがましく何時間も
呪詛を吐き続ける
独り言ではなく、延々と
私を相手に、これも避けると暴れ
ものを投げつけ怖がらせる

わたしは、知っていた
こんなことをしていても、絶対に人には当てず
何も傷つかないように、暴れていることを

ただ、子供たちは
大きな音に怯え、物を投げつけ暴れる父親を
震えながら、見ている

お風呂場にあった自分のオモチャが
投げつけられた音を聞き
震えながら、濡れたお風呂の床に這いつくばり
ハイハイで拾い
泣くことも出来ず震えている
次男の姿を抱きしめながら

断ると暴れる、この流れは
どうしたって止めることも、逆転することも
出来ないんじゃないかと

腹立たしく悔しさに震えながら

避けると、暴れる
離れると、脅す

これに立ち打つすべが、わからず
悶々と、怒りを抱えていた


そんな、年明け

派遣会社担当者と、派遣先の会社へ行き
面談の後、派遣が決まった

派遣先の会社から、家に帰る道
とりあえず新しく始まった流れにホッとし
帰る途中にある、ショッピングモール
彼と働いていた職場に寄った
買い物をして、帰ろうと。

車を停め、買い物行くつもりで歩き出し
あ、やっぱりトイレに行こう、と
引き返し、歩き始めたところで

遠くから近づいて来る男性

ふわっとした、何かを夢想してるような
楽しそうな無表情で歩いてくる人が

彼だ、と気づいた


正面から正面、一対一で、向き合い
近づくところで、彼も気づく


あ、、、!

おぉ~

と彼が気づいたところで

深呼吸して、とびきりの嬉しさでお辞儀をして
挨拶した


あけまして、おめでとうございます


彼は、あ、あぁ、、と

な、な、なんで、ここで、会った、、

と驚いてるかのような、
いつまでも、ちょっと不思議な顔をして

ふわっと、お辞儀をした

本当だったら。
去年、仕事始めの元旦に
今年も、よろしくお願いします♡と

言い合ったように。
見つめて微笑んで
言えたら、いいのだけど

それは、言えないんだな


たまたま、ここで、一瞬会っただけ

このことは、夫にバレたら死活問題


一瞬の事だからバレるわけないんだけど

こんな、すれ違う、挨拶するだけ、の事が


後にヒヤヒヤしてたまらなく怖く

もう二度と、近づけないと、知る



会えて良かった
本当に、嬉しかった



年末に一度、この店に家族で買い物に来て
大忙し、激混みの店内で
レジを抜け、出口に向かうため
次男の手を引き、人混みを歩いていて

ふと、顔を上げたら


数メートル先の正面に立っていた彼と

瞬間、バチッと目が合ったことが、あった

目が合って、その瞬間彼は

頷いたのが見えた

だけど私は、次男の後ろにいる
夫の事があり、
目が合ったところを、見られないように、と

頷くように、下を向き目を逸らした


その、瞬間と
この時、すれ違ったこと

この彩りが、そのあと流れる時間の中で

消えることなく輝く

幸せな記憶としていつまでも、ある

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