旅立ち(2)

あなたって、子供、必要?

そんなとこに隠れて
主婦やって、終わる人じゃないんだけど

手放したらいいのに



あまりにも、衝撃的すぎて
本当に、開いた口が塞がらない
あわあわと、何か言い返そうとしても
言葉にならない、、


え、、いや、、

子供は、必要かどうかっていうか
手放すものの中に、子供は、入ってなかった、、

と言いながら、ふと浮かんだのは
一週間前、夫に
子供を置いて出て行けば、と言われた時のこと

あの時、咄嗟にカッとなりながら
瞬間、体を貫く細い矢のように
一筋の光が貫くように

何かが胸に刺さり

ハッとしたのだ

まさか!と言いながら
奥底に眠るなにかに触れたように

子供を置いて行けば、状況は変わる、、?


この時、また子供を手放せと言われ

いかにそれが、無理であるか

出来ない理由を述べながら

でも、、

そうすれば、この状況は変わるのか、、
それしかもう、突破口が、ない

そんな気も、する

いや、でも、そんなの
出来るわけない
子供たちは、私がいなければ、、

私だけが、守れる存在なのに、

私がいなければ、、あの子達は、無理です、、

その場で答えを出す必要もなく
持ち帰ったものの


もう、これしか突破口がない、と
いやいや、子供だけは手放せない、と

堂々めぐりでひたすら、泣く

今回この家に戻ってきたのも
長男が帰りたいと言ったからだ。

この子を、苦しめないために、
そして守るために、私はここから動けない

どんなに、怖い目にあおうと、
威嚇されガタガタ震えようと、
あの家に、帰りたい
自分の暮らしから、離れたくないと、しがみつく

だから、戻ってきた。



もしも。私が居なくなったとして、、

その先の、この子達の事を想像しようとしても
何も思い浮かばない

でも、私がここからいなくなった後
この子達の成長する姿を
もう見ることが出来ないのは、想像ができる

あと一年で、卒業と卒園、入学式も。
見ることが、出来ないのか

秋に、するはずの、次男の七五三
運動会、おゆうぎ会
見に行けなくて、ごめんね

これから成長するはずの
楽しみな姿、たくさん見たいのに
みてあげられなくて、ごめんね、、

これを、思い始めると
どのタイミングも、出奔にふさわしくないなと
やっぱり、そんなことできない

これが終わるまで、あれが終わるまで、
あれを見届けてから、これを見てから、、

キリがない

全部の姿を見たいのだから

見なくて良いものなんて、ひとつもない

子供たちの、寝姿を見ながら
二人に挟まれ、布団に這いつくばって泣く

出来るわけない

この子達を置いて、どこかへ行って
その先の私が幸せだなんて、想像できない
こんなに愛して、大切な子供たちを
手放すくらいなら、
目の前でその成長を見られないのなら

こんな選択をするくらいなら
いっその事、ここで死ねたら良いのに
お母さんは、精いっぱい頑張ったけど、
やっぱり、身体が持たなかったね、と
ここで、終わりにしてくれたら、

子供を捨てる、母ではなくて
必死で守ろうとした、母で
いられるはずなのに、、、



ぐるぐる、取りとめなく考え、泣きながら


ふと、浮かび上がった答えに、ハッとする



私が、子供たちに、執着しているんだ、

夫の、私への執着と、同じように、、




愛してるから、そばにいたい、
守ってあげたい
私が愛さないと、この子達は不幸になる
私がいるから、生きていけるんだ
私が守らないと、頼りない存在なんだ
だから、ここにいて
私の目の届くところで
安心して、暮らせばいいのよ、、


愛してるから、お前と居たい
愛してるから、守っているんだ

愛してるから、愛してるからと
ギュウギュウ握りしめ
胸ぐらを掴んで首を絞めるように

愛してるから、ここでじっとしてて!!

と、鳥籠に押し込められたみたいに。





きっと本当に、愛の中にあるというのは

どこをどう、飛んでも 何を見ても
好きに、飛び回り、世界を見て
ふと、またひとつの止まり木にあつまり
寄り添い、語り、わかちあい

ここに、ある、という

好きに飛べるという、安心感の中で

また、飛び立っても心配しない

広く大きく羽ばたいて
そしてまた、安心できる止まり木にかえる

そうやって、自由に
その人の、そうであることを尊重しあえる

留めない、握らない、引っ張らない

羽ばたくことを、みとめあえる
 
自由の中に常にあるのだと、思えることが

愛の中にある、ということなんじゃないかと




わたしが今している事も

この子が、ここに居たいから
だから、嫌なのにここに居る

この子のせいで、動けない、と
言ってることと、同じなのだと
ようやく、この時に気づく


だから、なのだ

この子に反抗されるたびに
言いたいことを言い返されるたびに

あんたのせいで、我慢してるのに
自分だけ、好き勝手に、自由にしないでよ!と

余計に腹を立てていたのだ

あんたのせいで
あんたのせいで

そのうち、もっと積み重なり

どす黒い顔をして
自由に何かをしようとするたびに
お前のせいで、お前のせいで、と
呪詛を吐き続ける

夫と、同じことを、するのだろう

そして、その夫を
こうまでも執着に駆り立てるのは
私の、子供への執着と同じ

愛の意味をはき違え

こうして、握りしめる事が、愛なんだと

ギュウギュウ握りしめている


私が、この手を離さないと

何も終わらない


愛とはきっと

この手を放した先に

あるのだろうと、信じて


家を出る決意を固めた

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