愛の中にあるということ(4)



彼との電話を切ってから
実家に電話をかけた

母が出て、良かったー!と
無事でいてくれて良かったよ、と
言われる
そして矢継ぎ早に、今のこと
家を出てから3日間の事を聞く

捜索願を出したのは、
夫に、身元を引き取られたら
あんたの決意が、元も子もないから
みんなで、あんたの手紙を読んで
その気持ちも、決意もわかったから
お父さんは、捜索願、嫌がったんだけど

やっぱり、行って良かったよ
うちが出しに行くのが、タッチの差で
少しだけ早くて
あっちが先に出してたら
強制的に捜し出して、身元を引き取るって事に
なってたから、、

うちらはみんな、
あんたの気持ちを尊重して、
捜し出さなくていいと、思ってる
旅をしたいなら、しなさい
自分とちゃんと、向き合って
幸せに生きて欲しいだけだから。と

そのあと、父に代わり
父の、安堵の声
小さい子供に声をかけるように
聞いたことのない、優しい声で

よかった、、よかった、よかった、、
声が聞けて、よかったー、、と

心配掛けて、ごめんなさい、だけ
泣きながら言う

警察が、ものすごく優しくて
お父さんは、神さまがいると思ったよ

あんたの書いた手紙を、(10枚以上ある)
みんなで、真剣に何度も読んでくれて
丁寧に、話を聞いてくれた、と

捜索願とはいえ
お嬢さんが、無事だとわかったら
取り下げたらいい、こと
あちらに渡すのが危険なら
そういうやり方にしたらいい、と

あまりにも、みんなが親身になってくれて
警察に対してイメージが変わった
本当に、素晴らしい人たちだった、と

今の時点で私が電話をして 
無事だから、と取り下げたらいい、と
電話番号を聞く

お金はあるのかと聞かれ
もう、底をつくことを答えると
旅の資金を、振り込むから
しばらく、好きにしていい、と
安心して、ゆっくりしなさい、と

ありがとう、しかなかった
電話越しに頭を下げ、電話を切る



そのまま、警察に電話をかけると
その時父に対応してくれた方が、出た

私が、名乗り
無事なので、捜索願を取り下げたい、と
申し出ると

本当に、とても優しい声で、諭すように

わたしたちも、あなたの手紙を読んで
こんなに、真摯に、自分の人生を生きたいと、
願って、出ていかれた気持ちに
心を打たれたんですよ

だから、ご両親と同じ気持ちで、
捜し出すつもりは、ないんです

無事でいて欲しいなと
みんなで、祈っていました


ただね、ひとつ、仕事なので
聞かなければいけないんですけど、



死ぬつもりは、ない、ですよね、、?



はい。
生きるために、出てきたので
大丈夫です。
自分の人生、生き直します。

泣きながら、答えると

うん。よかった
がんばって
大切に、生きてくださいね

その言葉を聞いて、安心しました。と


父が私にかけたように
小さな子どもを、よしよしするような声で

励まされ
では、捜索願は取り下げます、と。


お礼を言い、電話を切った。



誰も、怒ってはいなかった
誰も、罵りはしなかった
みんな、心配して、
どうか死なないで、生きていてと
祈られていた


世界は優しく、
わたしは、愛の中にある

そう、心から思えた夜だった。


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