鏡の自分を見て泣いた時から、違う人生が始まった話

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・・しかし、どれを見ても、

 

「えー?そんな事するの・・?ホントに意味あるの・・?なんか、まゆつばー」とか

「いや、私の場合○○だから、これはちょっと・・」とか

「そんなこと、言われてもね~・・」とか

 

何かしら障害があって行動に移せないのだ。

まぁやってみようかと取り掛かってみたものも、心の底から信じてないため、続かない。

 

 

今振り返れば、これらの本は 成功をつかむためのハウツー本を「お金持ちと結婚する」という目標に沿ってアレンジし、分かりやすく伝えてくれている内容だった。

しかしその当時は、成功者についての話を聞いたこともなかったし、成功のためのハウツー本や「引き寄せ」のようなスピリチュアルの類の本も読んだことがなかった。

「面白い」とは感じるし、読んでいる時はワクワクするものの、いきなり実践するには世界が違いすぎたのだと思う。

 

もともとこの本を買うきっかけとなった『根拠のない自信を育てる』というのも、

結局は、今の自分がそのままで存在価値があるのだ ということを自分で認められるように、自分を大切にできるように、アファメーションを唱えるということだった。

 

「アファメーション」という手法の存在さえ知らなかった私は、本の中で「まず口癖を変えることが重要!」と書かれていてもピンとこなかった。

それどころか 「はぁ?なにそれ」 と思ってしまい、恥ずかしくて続けられなかったのだ。

 

 

 

そのうち、次第にテンションも下がっていき、本を開くこともなくなってしまった。

 

 

 

言い訳ばかりで何も行動しない、典型的な例だ。

 

あたりまえだが、何も変わらなかった。

 

 

*****

 

それまで、私は10年以上 同じ髪型、同じようなファッションだった。

 

ストレートの黒髪をアップにしたそのスタイルは、束ねてちょちょっと止めれば完成!

寝癖がついてもノープロブレムで朝の支度が非常に楽だった。

 

服は、汚れが目立たない、色の濃いもの。

ひらひら、ふわっとした女性らしい感じが苦手で、でもパンツスタイルのような

キリっとしたのも苦手で、とくに特徴もない感じでまとめていた。

 

自分の野暮ったさには気づいていたものの、このスタイルが 強固なコンフォートゾーンを形成しており、かわいらしくおしゃれを楽しんでいる友人を羨ましく思っても、どうしてもそのゾーンの境界を踏み越えられなかった。

 

また、自分はおしゃれが似合うような性格ではないし、かわいらしい恰好なんかをしたら、周囲から奇異の目で見られてしまうだろうと決めつけていた。

 

恋人でもできて浮かれてるのか?なんて陰で笑われたら・・うーやだ、恥ずかしい!

自意識過剰だよ、と自分を諫めるも、やはり他人の目が気になって仕方ない。

 

 

 

そして結局 今回も、自分の殻を破ることはできなかったのだ・・。

 

 


●鏡の自分に驚いた

 

本を買ってから何も変わることなく半年くらい経ち、次の年の春になっていた。

 

30代半ば、彼氏いない歴も10年以上。

新しい出会いの機会も乏しく、現在の延長上に自分が結婚できるイメージは持てなかった。

 

 

そんな折、親戚筋からお見合いの話が舞い込んだ。

前のめりになるほど興味をひかれた訳でもないが、特に断る理由もない。

ずっとトボトボと歩き続けているトンネルから外に出られるきっかけになればと

いう思いもあり、お会いしてみることにした。

 

 

しかし、困った。

 

 

お見合いって、どんな格好で行くの???

 

 

 

今回は本人同士のみでお茶をするというラフなスタイル。

とりあえずネットで検索してみた所、ちょっとおしゃれをした格好であれば良さそう。

 

 

いやしかし、「ちょっとおしゃれ」って!

持ってないし、そんな服!

 

 

そんなわけで、慌ててデパートに買いに行った。

ワンピースは何だか敷居が高く、結局 カジュアルな雰囲気のベージュのスーツを購入。

 

 

当日は、春一番のような生暖かい強風が吹いていた。

お見合いの場では、失礼はないか、マナーはおかしくないか、下品でないか、がっかりされてないか、、、

などなど、緊張しっぱなしだった。しかし、何とか和やかな雰囲気で会話を進められた。

 

お茶の後、近くの美術館へ寄ってお別れした。

帰り道では、「楽しかったかと言われると微妙だけど、お断りする理由もなかったかなぁ」などと考えていた。

 

 

任務を終えたような安堵を感じながら帰宅し、さあて着替えようかとタンスに向かう時に、鏡に映った自分の姿が見えた。

 

 

 

・・・

 

 

 

驚いたことに、そこにはダッサイ姿の自分がいた。

 


 

え、これ、良いと思って買ったスーツだよね?

なんで、こんなに似合ってないんだろう・・!?

 

思わず向き直って、まじまじと自分の姿を見た。

 

 

 

・・・そこには、恐ろしくオバさんぽい自分がたたずんでいた。

 

 

 

涙が出てきた。

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